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クラウドファンディング

1.クラウドファンディングとは

クラウドファンディング(crowd-funding)とは、多くの人(crowd)から資金調達(funding)を行うことです。インターネット上で不特定多数の人から資金調達する仕組みとして、2000年代の米国で始まりました。

クラウドファンディングの大きな特徴は、資金提供者(支援者)の応募と資金提供者から資金需要者(借り手企業)への資金供給などが、仲介業者(クラウドファンディング事業者)が設置したオンラインプラットフォーム上で行われる点です。

クラウドファンディングで資金を集める方法としては、寄付や融資・投資などがあります。資金の使い道として、ベンチャー企業の研究や開発、映画の製作からアーティストのサポート、さらには災害救済や防災事業など様々な分野を担っています。

日本では2011年、国内最大規模を誇るクラウドファンディングサービス会社「Readyfor」がサービスを開始したのが始まりです。東日本大震災後の募金活動に活用されたことから多くの人々の知るところになり、社会貢献や数々のプロジェクトの資金調達に利用されています。

最近は、中小企業が市場開拓や新規事業目的としてクラウドファンディングを活用し、成功する事例が増えています。これまでは優れたアイデアや技術を持っていても、金融機関から十分な資金を借りられず、リスクを負って自己資金を投入するか、なんとか実績を作って融資を依頼するしかありませんでした。

しかし、クラウドファンディングを利用すれば賛同者から資金を集めることが可能です。クラウドファンディングは、新たなリスクマネーを引き出す働きを担っているといえるでしょう。

2.クラウドファンディングの市場規模

クラウドファンディングの市場規模は、2013年から2017年の間に約10倍に拡大しました。矢野経済研究所が発表した国内クラウドファンディング市場調査によると、2017年度の国内クラウドファンディングの市場規模は、新規プロジェクト支援ベースで127.5%増の1,700億円、延べ137万人が利用していることがわかりました。

国内の低金利が続く中、クラウドファンディングが注目を集めているのです。地方自治体のクラウドファンディング活用や、大手メディアなどから新規参入が続いているので、今後も国内クラウドファンディング市場は拡大する見込みです。

出典:矢野経済研究所

3.クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは、資金提供者に対するリターンの種類によって、次の5つに分類できます。

1.寄付型
2.購入型
3.貸付型(ソーシャルレンディング)
4.ファンド投資型
5.株式投資型

支援額ベースでは、貸付型(ソーシャルレンディング)が90%と大部分を占めています。

出典:矢野経済研究所

それぞれのサービスの詳細を見ていきましょう。

(1)寄付型クラウドファンディング

金銭などのリターンがない寄付行為のクラウドファンディングです。たとえると、募金活動をインターネット上で行うようにした仕組みといえます。

支援者はプロジェクトへの貢献を資金提供の形で行い、資金調達者から支援者に資金の活用状況などを知らせるニュースレターや写真が送付される場合があります。

被災地支援や難病患者支援など社会貢献性の強いプロジェクトが多く、支援者は寄付として支援を行うことがメインです。

⦁ 寄付型クラウドファンディングの代表的なサービス
⦁ Readyfor

出典:Readyfor

Readyforは、2011年に開始した日本初のクラウドファンディングサービスです。アイデアの実行者は寄付金を募ることができますが、金銭などの対価性のあるリターンは受け取れません。

支援者は、支援するお返しとして限定グッズをもらえたり、限定イベントに参加出来たりするなどの特典があります。また、寄付による税制優遇を受けることができます。

寄付型クラウドファンディングの事例として、国際協力・医療福祉・地域活性化・ものづくりなどさまざまなカテゴリーがあります。

(2)購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングは、資金提供者がリターンとしてモノ・サービスを受け取ることができます。

プロジェクトの起案者は目標金額と期限を設定し、支援者を募ります。プロジェクトの具体例としては、新製品開発・アート作品・音楽・小説・書籍・ゲームソフトなどです。

支援者のリターンとしては、市場に出回っていない物やサービス・権利といった金銭以外の特典になります。

購入型クラウドファンディングには 、「All or nothing型」と「All in型」の2種類の方法があります。

「All or nothing型」は、募集期間内に目標金額を達成した場合のみプロジェクトが成立する方法です。「All in型」は目標金額に達していなくても、一人でも支援者がいればプロジェクトが成立します。

目標金額を集めたいのか、それでも一人でも支援者がいればプロジェクトを開始したいのかを起案者はどちらでも選ぶことができるのです。

⦁ 購入型クラウドファンディングの代表的なサービス
⦁ CAMPFIRE

出典:CAMPFIRE

CAMPFIRの特徴はリターンです。融資や投資と異なるため、支援に対し金銭的なリターンを受け取ることはできません。しかし、モノやサービス・体験といったプロジェクトでしか手に入ることできないリターンを得ることができます。

リターンには、アート・写真・ゲーム・ファッション・漫画などさまざまなジャンルがあります。

(3)貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

貸付型クラウドファンディングは、融資型クラウドファンディングもしくはソーシャルレンディングと呼ばれます。インターネット上で投資家から集めた資金を、お金を借りたい企業へ事業者が融資を行い、その元本 + 金利を投資家に返済していく仕組みです。

クラウドファンディングでもっとも人気がある仕組みで、新規プロジェクトベースでは約90%を占めています。貸付型クラウドファンディングは金融商品の一つとなるため、事業者は「貸金業法」や「金融商品取引法」などの法律規制を受けます。

さまざまなジャンルがありますが、不動産や再生可能エネルギーなど事業者ごとに特化していることが多いのが特徴です。

⦁ 貸付型クラウドファンディングの代表的なサービス
⦁ オーナーズブック

出典:オーナーズブック

2014年9月にサービスを開始した、業界初の不動産特化型のソーシャルレンディングサービスです。一口1万円の少額から大口の投資家まで、不動産のプロが厳選する案件に投資できます

オーナーズブックを運営するロードスターキャピタルは、2017年にマザーズ市場への上場を果たしました。4~6%程度の高い利回りを得られることができるのも魅力です。

⦁ SBIソーシャルレンディング

出典:SBIソーシャルレンディング

2011年3月からサービスを開始。証券やFXなど数多くの金融関係の事業を展開する、SBIグループに属するソーシャルレンディング事業者です。

融資残高331億円、登録完了数34,265人(2019年4月時点)と業界でも最大手の一角です。不動産担保ローン事業者に対して、事業資金を融資するファンド中心に実績を積んでいます。利回りは3~10%、1万円から投資可能です。

(4)ファンド投資型

特定の事業に対して投資を行い、融資ではなく投資に対する分配金という形でリターンを受け取るので、案件ごとに資金需要者の情報がわかります。代表者名や所在地、事業内容などを確認することができるので、投資する際の判断材料になるのです。

ソーシャルレンディングは「元本+利息」という形で利回りが計算されますが、ファンド投資型では売上にもとづく分配金で利回りが計算されます。そのため、売上の目標が達成されれば想定された分配金が受け取れますが、目標に届かない場合は元本割れになる可能性があります。

⦁ ファンド投資型の代表的なサービス
⦁ セキュリテ

出典:セキュリテ

ミュージックセキュリティーズ株式会社が運営する「セキュリテ」は、個人が小口で投資できる「インパクト投資プラットフォーム」として、日本酒や古民家改装、地方の特産品など多くの案件を掲載しています。

インパクト投資とは、経済的なリターンを求めるだけでなく、投資家からの出資を通じて、各地域で抱える課題や貧困などの社会的な課題を解決しようとする投資の仕組みです。

(5)株式投資型

株式投資型クラウドファンディングは、企業が資金調達の方法として未公開株を投資家に提供する代わりに、資金を募る仕組み。 2015年の金融商品取引法の改正に伴い新たに可能になったサービスです。投資家は、出資先企業の詳細な情報を確認した上で投資を行い、未公開株を取得できます。

⦁ 株式投資型クラウドファンディングの代表的なサービス

⦁ FUNDINNO

出典:FUNDINNO

FUNDINNOで取り扱っている案件には、プロの投資家が投資しているものも多く、成長性の期待ができる企業が多数あります。

これまで、未上場のベンチャー企業に投資できる機会は、ベンチャーキャピタルや人脈を持つエンジェル投資家など限られたネットワークの中にしかありませんでした。株式投資型クラウドファンディングは、これを個人投資家まで開放し、誰でもエンジェル投資家になって IPO(新規公開)やバイアウト(親会社からの独立)を目指す企業の成長を支援することができます。

4.クラウドファンディングのメリット

クラウドファンディングは、インターネットが普及したことによりきわめて効率的な資金調達や運用を可能にしました。具体的なメリットとしては以下の2つがあります。

(1)今まで資金調達が難しかった企業がお金を集めることができる

知名度や実績がないため金融機関や一般の投資家から資金調達が困難な起業家であっても、インターネットを活用することで幅広い資金提供者から資金を集めることができます。

クラウドファンディングを通じて、融資や寄付、出資を広く募れるようになったことで、今まで埋もれていていた夢や目的を実現することができるようになったのです。

(2)少額の資金で始められ様々なお返しが期待できる

クラウドファンディングは、1万円と少額から出資や融資できます。投資信託でも少額から投資を行うことができますが、具体的な運用はファンドマネージャーに任せる事になります。クラウドファンディングでは、投資家が自らの判断で個別のプロジェクトを選択することが可能です。

また、購入型クラウドファンディングでは、自分の欲しい商品や体験したいサービスがお返しとして送られたり、貸付型・投資型クラウドファンディングでは金銭的なリターンが期待できたりします。

5.クラウドファンディングのデメリット

続いて、クラウドファンディングのデメリットについても確認しておきましょう。

(1)キャンセルができず資金が返ってこないこともある

クラウドファンディングは、元本が保証されている商品ではありません。募集されたプロジェクトが必ず成立するわけではなく、途中で頓挫してしまう可能性もあります。頓挫した場合、支援者や出資者が資金を返してもらうことはできません。

一度支援すると原則キャンセルはできないので、お金を出す際は十分な注意が必要です。出資や支援の際には、不成立や頓挫のリスクも考慮した上でプロジェクトを選ぶようにしましょう。

(2)悪意をもった利用者の可能性

クラウドファンディングで集めた資金が、すべて正しく使われているかどうか詳細に確認することは困難です。ソーシャルレンディングでは、融資先の企業情報も規制されています。

資金を集めたものの、思ったようにプロジェクトが動いていないということもクラウドファンディングではあり得るのです。また、クラウドファンディングを利用して、集まったお金を持ち逃げする者もいます。

無名であっても事業内容によってお金を集めることができるのがクラウドファンディングの大きな魅力ですが、出資先が本当に信頼できる相手かどうかというのは見極めなければなりません。そのためには、実績のあるクラウドファンディング事業者を選ぶようにし、出資金がきちんと回収できているか確認するようにしましょう。

6.まとめ

クラウドファンディングは、これまで資金を借りることが難しかった事業者でもインターネットを利用して多くの人から資金調達できるようになりました。

資金提供者に対するリターンの種類によって次の5つに分類できます。

1.寄付型
2.購入型
3.貸付型(ソーシャルレンディング)
4.ファンド投資型
5.株式投資型

地方自治体や大手メディアのなど新規参入も続いているので、今後もクラウドファンディング市場は拡大していくことが期待されます。