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送金・決済サービス

フィンテックは、1998年アメリカでサービスが開始されたPayPalが起源とされています 。株式会社矢野経済研究所の調べでは、フィンテック系ベンチャー企業の国内市場規模は2017年に1兆円を突破。2021年には1兆8,590億円まで成長すると予測されています。

私たちの身の回りでも、ビットコインなどの仮想通貨・ソーシャルレンディング・キャッシュレス決済サービスなど、さまざまなフィンテックサービスが生まれています。ただ、私たちの日常において欠かせない存在になっていっているフィンテックですが、すべてのサービスを理解することは困難です。そこで分野別に分けてフィンテックサービスを紹介していきます。今回は、フィンテックの送金・決済サービスです。

1.フィンテック送信サービス

(1)変わる送金サービス

フィンテックの登場により送金サービスに変化が生じています。スマホなどのモバイル端末の機能を使って金融機関の口座番号を使わずに、送金を低コストでいつでもどこからでも実施することができるようになりました。

以前の送金といえば、金融機関の窓口や ATM に出向いて、特定の口座に送金をしてもらうように依頼をする必要がありました。近年は一部のコンビニでも送金の手続きができるようになったので利便性が向上しましたが、それでも直接コンピニまで出向かなければならず、手間や時間がかかります。

しかし、フィンテックを活用したサービスを活用すれば、圧倒的な低コストでどこにでも送金ができるようになりました。

その代表が国際送金です。ユーザーの間では金融機関で国際送金をする際、コストが非常にかかるという不満がありました。そこでフィンテックが送金分野に乗り出し、低コストでの国際送金を可能にしたのです。

フィンテックは様々な金融分野で活動していますが、とくに送金ビジネスにおいてはアジアを中心としたグローバルな展開が行われています。

(2)フィンテック送信サービスの種類

送金は国際送金と国内送金に分けられますが、フィンテックがメインとしているのは国際送金です。 経済のグローバル化が進む中で、国際送金の件数・金額ともに増加しています。現状、国際送金は国内の銀行と外国銀行、国内の銀行とその海外支店との間での送金が行われています。

しかし、送金にかかるコストが高く、決済に時間がかかるという問題がありました。そこで、フィンテックを活用することで送金の効率化を図り、決済コストの低下・決済時間の短縮を図る動きが活発化しているのです。

(3)P2P技術を利用したマッチングによる送金サービス

国際送金では、A国からB国への送金とB国からA国への送金をできるだけマッチングさせることにより、国同士の送金を極力節約することにより為替手数料を削減して、低コストの国際送金を実現する「P2P方式の送金サービス」が見られます。

P2Pはpeer-to-peerの略で、peer(同等の立場)同士で通信することを指します。

P2P方式の送金サービスの代表的なフィンテック企業が、TransferWise(トランスファーワイズ)です。2010年にロンドンで設立されたフィンテックベンチャーです。ここ数年急成長を遂げています。

出典:TransferWise

2017年度の売り上げは1億5,100万ドル(約168億円)を記録。2016年の4,000万ドルから4倍近くになりました。現在は日本円を含む750以上の通貨ルート、64カ国で利用できる送金サービスとして定着し、ユーザーは世界中で400万人を超えています。

トランスファーワイズでは、サービス利用者同士の海外送金ニーズを仲介し、国内送金扱いとすることでコスト削減を可能にしています。

本来は国際送金となるところを、トランスファーワイズの口座を使って国内送金で処理してしまうことで、国際送金の高額なコストを大幅に節約できるというメリットがあるのです。

(4)インターネットモバイル送金サービス

インターネットモバイル送金サービスとして、楽天銀行の Facebook を利用した送金サービスがあります。振込先の銀行の口座番号を知らなくても、Facebookの友達であれば簡単に振り込みが可能。振込先が楽天銀行の場合は手数料無料、他行の場合は一律165円で、振り込みは瞬時に実行されます。

モバイル送金サービスは、スマホからアプリを使って送金するサービスです。たとえば LINEの参加にある LINE Pay は 、LINE を通じてユーザー間での送金などを行うことができるモバイル送金サービスを提供しています。

出典:LINE

LINE のトークから送金依頼を行い、LINE で繋がっている相手を選択して送金します。送金は無料ですが出金には手数料がかかります。

(5)ビットコインやブロックチェーンを利用した送金サービス

出典:Coinpip

ビットコインを利用した海外送金サービスとして「CoinPip」があります。支払いの処理を仮想通貨の一つであるビットコインに変換し、相手に届けるというサービスです。最大のメリットは手数料の安さ。普通に海外送金するよりも非常に安い手数料でお金のやり取りができます。

また、銀行間の送金システムをブロックチェーンの技術を活用することにより劇的に変革できる可能性があります。これまで銀行の口座を経由して送金する場合、データは本店など中央で集中管理されていました。その場合、コードの処理能力とセキュリティを確保するインフラが必要です。

これに対してブロックチェーン技術を活用して送金する場合、データは分散型台帳により管理されます。したがって、データを集中管理する必要はありません。多額のIT投資や人件費を削減することが可能になるのです。

2,フィンテックの決済サービス

フィンテックで一番有名なのが「決済サービス」です。決済サービスには次の2種類があります。

①Web 決済

Web 決済はインターネットを利用して、クレジットカード決済などを24時間365日リアルタイムで行うサービスです。

②モバイル決済

モバイル決済は、スマートフォンなどモバイル端末をカードリーダーとして使うことにより、中小・個人企業でもクレジットカード決済の取り扱いが低コストで導入することができるようになるサービスです。

いずれも、現金使わない決済サービスなので「キャッシュレス決済」と呼ばれています。

(1)政府主導でキャッシュレス決済をすすめている

出典:平成30年4月 経済産業省HP(キャッシュレス・ビジョン)

世界銀行がまとめた調査(2015年)によると、キャッシュレス決済がもっとも普及している韓国は89.1%。キャッシュレス化が進展している国ではおおむね40~60%台に到達する中、日本は18.4%にとどまっています。

経済産業省は、キャッシュレス決済比率を2025年に40%まで高める目標を決めました。とくに2020年に東京オリンピックを控え、現金決済に慣れていない訪日観光客への対応が急務となっています。

それでは、フィンテックによる代表的な決済である、電子マネーのモバイル決済サービスを中心に解説していきます。

(2)電子マネーとは

電子マネーとは、紙幣や硬貨などの現金を使わずに電子的にデータのやり取りを通じて決済するサービスのことです。電子マネーの決済方法には次の2種類があります。

⦁ プリペイド型

事前にチャージ(入金)する必要がある先払い式。

⦁ ポストペイ型

事前にチャージする必要がなく、登録したクレジットカードや口座から後で引き落としされる後払い方式。

スマートフォンで決済できる電子マネーは、「非接触型」と「QRコード」に分類できます。

⦁ 非接触型(felica)

非接触型は日本の主要電子マネーに搭載されていて、装置にかざすだけでチップの情報を読み取ったり、書き込んだりできるので簡単に決済することが可能です。ただし紛失・盗難の際には他人に使われてしまうリスクがあります。

非接触型はカードがメインですが、「おサイフケータイ」としてスマートフォンに搭載したものもあります。「おサイフケータイ」スマートフォンで電子マネーやクレジットカードが使える仕組みです。2004年にドコモが携帯電話に採用したのが始まりで、2016年2月に米アップルの iPhone 7に採用されて対応端末が一気に広がりました。

代表的な非接触型決済サービス

⦁ 楽天Edy

出典:楽天Edy

楽天 Edy は楽天ブランドの電子マネーです。ただ、楽天だけでなくローソンなどのコンビニエンスストアからスーパー・飲食店までさまざまな店舗で利用できます。

対応している店舗数は電子マネーの中でもトップクラスで、キャッシュレス決済(クレジットカードや電子マネー)に対応している店舗であれば、必ずといっていいほど楽天 Edy にも対応しています。

⦁ Suica(スイカ)

出典:JR東日本

Suica はJR東日本が開発したプリペイド型電子マネーです。スイスイいける IC カードというイメージを表現しています。自動券売機や自動精算機、カード発売機などで現金による入金が可能です。スマートフォンに対応したモバイルSuicaもあります。

(3)モバイル決済サービスとは

モバイル決済は、スマートフォンなどのモバイル端末を利用して決済を行うサービスです。モバイル決済には、決済を店舗(Proximity)で行う方法と、遠隔決済(Remote)を行う方法があります。現在、もっとも伸びている決済サービスです。

出典:2017年5月 経済産業省HP(FinTechビジョンについて)

メインは遠隔操作型(Remote)で、2020年のモバイル決済の世界市場予測は3.8兆ドルになると予想されています。

(4)QRコード決済とは

モバイル決済として注目されるのが「QRコード」です。日本ではフィーチャーフォン(ガラケー)の時代からおサイフケータイしてモバイル決済を導入してきましたが、2018年からは QR コードを読み取るタイプの新サービスが続々と登場しています。今後も QR コード決済を中心とした新しいサービスが始まると見られています。

QR コード決済とは、スマートフォンでQRコードを読み取って、紐付けられたクレジットカードまたは事前にチャージした電子マネーなどで支払うサービスのことです。QRコード決済には、店舗側がユーザーのスマホに表示したコードを読み取って決済するタイプ(店舗読み取り型)と、ユーザーが店に提示されたコードを読み取って決済する(利用者読み取り型)二つのタイプがあります。

それでは、具体的なQRコード決済サービスを見ていきましょう。

⦁ PayPay

出典:PayPay

⦁ 決済方法     利用者読み取り型・店舗読み取り型
⦁ 主な精算方法  銀行口座からチャージ(前払い)、クレジットカード(後払い)

ソフトバンクとヤフージャパンが手を組んで始めた QR コード決済サービスです。2018年10月からサービスを開始しました。同12月に実施した大規模還元の「100億円キャンペーン」は、クレジットカードの不正使用や想定外の早期終了などありましたが、その認知効果は大きく、QR コード決済が世間に広がる大きなきっかけとなりました。使っているテクノロジーはインドのPaythmです。

PayPayで支払った場合は、利用分の0.5%がポイントとして付与されます。PayPay加盟店では、中国の主要QR コード決済であるアリペイも利用可能なので、インバウンド需要も狙えます。

⦁ LINE Pay

出典:LINE Pay

⦁ 決済方法     利用者読み取り型・店舗読み取り型
⦁ 主な精算方法  銀行口座からチャージ(前払い)、クレジットカード(後払い)
現金からチャージ(前払い)

事前にアカウント残高をチャージしておけば、加盟店でのスピーディーな支払いが可能です。スマホさえあれば財布なしで買い物ができます。

複雑な会員登録の手続きなどは必要なく、すぐに登録できます。ただし、決済や送金・出金の利用にはパスワードの設定が要ります。また、 LINE の友達同士で送金や割り勘などもできます。2019年5月には「300億円祭り」を大々的に開催して、総額300億円の LINE Pay ボーナスをユーザーにプレゼントしました。

⦁ 楽天Pay

出典:楽天Pay

⦁ 決済方法      利用者読み取り型・店舗読み取り型
⦁ 主な精算方法   クレジットカード(後払い)

楽天Payは楽天が提供している決済サービスです。楽天にはさまざまな決済サービスがありますが、QR コード決済も提供されています。ローソンでは LINE Payと同じようにQR コードを読み取ってもらう形での決済です。他にタブレットなどに表示されたQR コードをユーザーが読み取る方法も用意されています。

支払いは楽天のアカウントに紐付いたクレジットカードで、各種カードが利用可能です。楽天ポイントから自動的に支払うようにも設定できます。

(5)キャッシュレス対応で注目される中小店舗

QR コードの普及で注目されるのが中小の店舗です。これまでのキャッシュレスサービスはクレジットカードや電子マネーが先行していましたが、専用の読み取り機などの関連投資や手数料が必要でした。

QR コード決済の場合、 QR コードを印刷した紙やタブレット端末を用意するだけで導入が可能なので、専用端末を設置する必要がありません。また、PayPayやLINE Payは、2021年までの3年間は店舗側から徴収手数料も無料を謳っており、導入リスクが抑えられているというのが特徴です。

今後もQR決済サービスは普及するでしょうが、上記以外にも多くのQRコード決済サービスが誕生し、店舗ごとに使えるサービスが異なるという問題点があります。

ただ、2019年3月にはLINE Payとメルペイが提携し、QR決済の相互開放を行いました。今後もこのような提携は増えると考えられます。

3,まとめ

今回はフィンテックを利用した送金・決済サービスについて解説しました。とくにスマートフォンを利用したキャッシュレス決済サービスの普及が進んでいます。

ただ、フィンテックが身近になってきた一方で、すべてのサービスを理解するのは難しいので、暮らしの中で上手に活用できてない人も多いのではないでしょうか。

今後、さまざまなフィンテックサービスを紹介していくので、少しでもフィンテックに関する理解を深めていただければ幸いです。