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印鑑照合システム

印鑑照合システムの概要

印鑑照合システムは、これまで目視で確認していた印鑑照合について、印影イメージデータで機械的に照合することにより、印鑑照合事務を効率化するシステムです。

印鑑照合は、事前に使用印として金融機関に届出されている印鑑と、預金払戻請求書や諸届、手形・小切手等に押印されている印影とを照合して一致することを確認することです。

正確な印鑑照合は金融機関担当者として最も基本的な事務の1つであり、仮に照合ミスがあれば銀行の責任となりかねません。印鑑照合についての注意義務として「銀行員が社会通念上、一般に期待される相当の注意をもって熟視するなら肉眼で発見できるような印影が看過されたときは、免責約款があっても銀行に責任がある」という判例もあります。

印鑑照合の方法としては、①平面照合(届出印と印影とを平面に並べて肉眼で確認)、②折重ね照合(印影の部分を折って届出印に重ね合わせ、一致するか確認)、③機械照合の3つの方法があり、印鑑照合システムは③機械照合を実現するシステムになります。

具体的には、印鑑照合システムは、事前に顧客が印鑑票で届け出た印鑑・署名鑑画像を電子データでサーバ上に保存した上で、預金払戻請求書や手形・小切手に押捺されている印影を窓口端末のスタンドスキャナ等で読取・照合して、迅速に印鑑照合を実施できるようになっています。

また、保管された印鑑票を捜し出す手間を省くことができ、顧客がどの営業店を訪れても即座に照合できるというメリットもあります。

従来、預金通帳には印鑑照合のために、副印鑑と呼ばれる印影が押されていました。しかしながら、2000年前後に、預金通帳を盗んだ犯人が副印鑑の印影から印鑑を偽造し、預金の不正引き出しを行う事件が急増したことから、印鑑照合システムを導入し、副印鑑制度を廃止する金融機関が増えています。

(参考)印鑑照合に関する動向

これまで金融機関において本人確認を行う場合、印鑑照合や暗証番号を用いることが一般的でした。しかし2016年時点で、「電子サイン」や「生体認証」(指紋認証など)を用いて口座開設時や各種取引時の本人確認を行うことで、印鑑そのものを廃止する動きが出てきています。

例えば、三井住友銀行では2017年から一部店舗において、電子サインの専用パッドを用いて、サイン(手書き署名)の筆跡や筆圧変化を記録して本人確認を行うことを公表しています。

また、りそなグループでは一部店舗において、口座開設の際に印鑑の代わりに生体情報を登録することにより、印鑑レスでの口座開設を可能としています。

このような印鑑レスを進めることにより、顧客の利便性向上のほか営業店におけるペーパーレス化も進めることができるため、今後、他の金融機関でも同様の動きが進む可能性があります。

印鑑照合システムの概要図

以下に印鑑照合システムの概要図を示します。各システムにより、その構成は大きく異なります。
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製品・サービス一覧

印鑑照合システムの製品・サービス一覧は、以下のページを参照ください。

 

参考文献

参考文献一覧

参考文献一覧

  1. 加藤浩康(2013)『わかりやすい銀行業務(全訂5版)』きんざい 340pp
  2. 糸瀬茂(2001)『図解 金融のしくみ―たった40項目で金融の基本がすっきりわかる!』東洋経済新報社 248pp
  3. 研究会事務局(2010)「地域金融機関IT研究会報告書「ITを活用した営業店事務の合理化・効率化への取組み」」『金融情報システム』No.311(平成22年秋号) pp.4-71. 金融情報システムセンター
  4. 株式会社埼玉りそな銀行オペレーション改革部 担当マネージャー 土井 俊和(2010)「〔第2回第1部〕ITを活用した営業店事務の合理化・効率化への取組みについて」『金融情報システム』No.309(平成22年夏号) pp.100-107. 金融情報システムセンター
  5. 株式会社金融ビジネスアンドテクノロジー代表 島田 直貴(2010)「〔第3回第2部〕営業店事務の合理化・効率化を阻むもの」『金融情報システム』No.309(平成22年夏号) pp.129-137. 金融情報システムセンター
  6. 監査安全部(2000)「事例偽造印影による預金不正引き出し」『金融情報システム』No.231(平成12年7号) pp.40-41. 金融情報システムセンター
  7. 日立製作所「印鑑検索システム「MEDIASEAL」」<http://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/solutions/application/channel/mediaseal/index.html>(2015/10/27 アクセス)
  8. 沖電気「印鑑照会システム」<http://www.oki.com/jp/financial/office/seal_inquiry.html>(2015/10/27 アクセス)
  9. 三菱インフォメーションテクノロジー「印影管理システム」<http://www.mdis.co.jp/products/inei/index.html>(2015/10/27 アクセス)