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顧客管理/マーケティングシステム

顧客管理/マーケティングシステムの概要

顧客管理/マーケティングシステムは、顧客・企業の属性や取引情報等を一元的に管理して、統合的な営業活動やマーケティング活動を支援するシステム群です。

顧客管理/マーケティングシステムは、情報系システム(データウェアハウス)やMCIF(マーケティング用顧客DB)等の顧客データベース及び、渉外活動を支援する渉外支援(営業支援)システム、個人顧客の資産運用相談を支援する相談支援システム、顧客との関係構築やマーケティングを支援するCRMシステム、顧客イベント主導型マーケティング等を実現するマーケティングシステムなどから構成されています。

かつて、営業店窓口と渉外活動が主要な顧客チャネルであった時代は、勘定系システム上に簡単な顧客属性(住所、職業、自振契約情報等)しか保有しておらず、職員の能力により顧客アプローチにバラつきが発生していました。また、必ずしも収益性が高くない顧客に対して過剰なリソースを投入するなど、効率的な顧客管理やマーケティングができていませんでした。

さらに、営業店管理が主体であったことから、同一顧客でもシステム上では、営業店単位で異なる顧客番号を付与するなど、営業店を跨いだ顧客名寄せが不十分であり、別営業店における顧客折衝状況が十分には把握できないなどの問題がありました。

これらの反省を踏まえて、各顧客折衝業務の均質化・省力化のために、各システムで保有する顧客属性情報や取引履歴等を統合・充実させるなど、データウェアハウスやMCIF(マーケティング用顧客DB)等の顧客データベースの整備が図られてきました。なお、顧客データベース上では、全店統一顧客番号が導入され、顧客名寄せが実現されています。

加えて、最近ではATM、インターネットバンキング、モバイル等の顧客チャネルが多様化・複雑化してきたことから、CRMシステムやマーケティングシステムを導入して、顧客属性や取引情報等をもとに、顧客の状況に合わせたタイムリーかつ一貫性のある顧客折衝やマーケティング(オムニチャネル化)を実現するための取組が行われています。

顧客管理/マーケティングシステムの概要図

以下に代表的な顧客管理/マーケティングシステムの概要図を示します。各金融機関により、システム構成は大きく異なります。
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顧客管理/マーケティングシステムの個別システム概要

顧客管理/マーケティングシステムは、複数の個別システムから構成されています。ここでは、幾つかのシステムについて、概要を説明します。

(1) 渉外支援(営業支援)システム

渉外支援(営業支援)システムは、従来紙ベースで記録・管理していた訪問・折衝記録等を電子化することにより、顧客集金・相談業務や法人営業業務の効率化を図るシステムです。

最近では、スマートフォンやタブレット端末から、オンラインで顧客照会や勘定取引、ライフプランシミュレーション等が実施できるシステムも出現するなど、時代に合わせて進化を続けています。

(2) 法人融資支援システム

法人融資支援システムは、金融機関における法人顧客に対する経営計画策定支援やコンサルティング機能の提供等をサポートし、融資拡大の推進を支援するシステムです。

近年、金融庁は各金融機関に対して「事業性評価に基づく融資」を求めており、財務データや担保・保証に必要以上に依存せずに、事業の内容や成長可能性を適切に評価した上で、融資や助言を行うことを推奨しています。このため、当システムの重要性が高まっています。

(3) 顧客相談支援システム

顧客相談支援システムは、営業店相談窓口あるいは渉外先において、リテール担当職員が顧客に対して行う家計診断やライフプランシミュレーション(住宅ローン含む)、資産運用相談、金融商品(保険・投資信託)説明などを支援するためのシステムです。

顧客と対話しながら、顧客の状況に応じたローンや商品・サービスを視覚的な画面でわかりやすく提案できるようになっています。

(4) 相続業務支援システム

相続業務支援システムは、金融機関における相続業務(被相続人確定、名寄処理、資産継承プランの作成、相続関連資料の作成など)や相続に伴う資産運用提案等を支援するためのシステムです。

近年、少子・高齢化がますます進展していることから、預金流出防止のために当システムの重要性が高まっています。

(5) CRMシステム

CRM(Customer Relationship Management)システムは、顧客に関する属性情報、預かり資産情報、取引履歴情報等を統合的に管理した上で、顧客情報の統合的な照会や顧客別採算・生涯価値等に基づくターゲット顧客層の分析、新商品のクロスセル等を実現します。

(6) マーケティングシステム

マーケティングシステムは、データウェアハウスの保有データや外部機関が提供するマーケティングデータ等をもとに、見込み顧客の発掘、キャンペーンの計画立案、マーケティングの実施・結果検証等を支援するためのシステムです。

特に近年、顧客に関連するイベント発生を検知もしくは予測して各顧客の状況に応じた最適なチャネルでマーケティング活動を行うEBM(Event Based Marketing)と呼ばれる手法が普及しつつあり、この手法を実践するEBMシステムを構築する金融機関も現れています。

(7) 名寄せシステム

名寄せシステムは、顧客の氏名、住所、電話番号、生年月日等をキーとして名寄せ処理を行い、顧客データベース上の顧客データ標準化や預金保険機構への提出データ作成等を実現するシステムです。

製品・サービス一覧

顧客管理/マーケティングシステムの製品・サービス一覧は、以下のページを参照ください。

 

参考文献

参考文献一覧

参考文献一覧

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  2. 土屋清美(2013)『ITエンジニアのための金融知識』日経BP社 232pp
  3. 山本統一(2010)『SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書』日本実業出版社 328pp
  4. 小泉保彦(2010)『SEのための金融入門―銀行業務の仕組みとリスク』金融財政事情研究会 300pp
  5. 克元亮(2004)『SEのための金融の基礎知識』日本能率協会マネジメントセンター 341pp
  6. 戸谷圭子(2006)『リテール金融マーケティング―顧客を知って儲かる仕組みを作る』東洋経済新報社 212pp
  7. 西浦裕二(1998)『金融マーケティング―自由競争時代の戦略イノベーション』東洋経済新報社 213pp
  8. 岸本義之(2005)『金融マーケティング戦略』ダイヤモンド社 236pp
  9. 本島康史(2005)『金融業の収益「力」を鍛える-BCG流 儲かる金融事業戦略を創る発想法』東洋経済新報社 248pp
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  11. 日本アイ・ビー・エム 株式会社 金融インダストリーコンサルティング本部 部長 アソシエイト・パートナー 船場 正史(2012)「【第 4 回第 1 部】法人トランザクションデータに基づく顧客理解と法人ビジネスへの適用」『金融情報システム』No.323(平成24年秋号) pp.108-118. 金融情報システムセンター
  12. 調査部(2014)「地域金融機関におけるチャネル戦略の現状とオムニチャネルの可能性」『金融情報システム』No.333(平成26年夏号) pp.42-61. 金融情報システムセンター
  13. 株式会社 富士通総研金融・地域事業部 シニアマネジングコンサルタント 金高  篤(2012)「【第 4 回第 2 部】法人取引高度化に向けた IT ソリューション例」『金融情報システム』No.323(平成24年秋号) pp.119-129. 金融情報システムセンター
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  18. 株式会社 金融ビジネスアンドテクノロジー 代表 島田 直貴(2014)「金融ITの現状と今後の方向」<http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/data/rel141111a3.pdf>(2015/10/22 アクセス)
  19. 株式会社 三菱東京UFJ銀行 法人企画部 企画グループ次長 上原高志(2015)「ICTの銀行取引への活用検討」<http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/data/rel150417a3.pdf>(2015/10/22 アクセス)
  20. 株式会社 横浜銀行 営業企画部 マーケティンググループ 加藤毅(2015)「データ活用の高度化と地銀連携のためのマネジメントシステム」<http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/data/rel150417a4.pdf>(2015/10/22 アクセス)
  21. 日本銀行(2015)「ITを活用した金融の高度化に関するワークショップ報告書」<http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151021a.htm/>(2015/10/22 アクセス)

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