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ビットコインは差押えができない?所有権は認められるのか?

 

契約にもとづいた支払いなどをしていない場合、債権者は債務者の財産を差し押さえることができます。

では、債務者が多額のビットコインを持っているときには、ビットコインを差し押さえることができるのでしょうか?

 

また、ビットコインなどの仮想通貨に対する権利は「所有権」になるのかなど、ビットコインにまつわるさまざまな法的な理解についても把握しておきましょう。

 

今回は、ビットコインに対する差押えの可否や、ビットコインへの所有権が認められるのかなどの法律問題について、解説します。

 

差押えとは

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ビットコインは、差押えの対象になるのでしょうか?

この問題を検討するに際して、まずは差押えとはどのようなことか、簡単に確認しておきましょう。

 

差押えとは、債務者が債務の弁済をしないときに、債権者が債務者の財産から取り立てを行うことです。

法的には、「強制執行」という手続きの1種です。

 

たとえば、お金を貸し付けているときに、債務者が定められた支払いをしないとき、貸し付けた債権者が債務者の財産を差し押さえることができます。

 

差押えの対象になるものは、債務者が所有しているすべての財産や、債務者名義の債権です。

具体的には、現金や債務者名義の預貯金、生命保険、車や不動産、株式など、すべてが差押えの対象になります。

 

たとえば、債権者が債務者名義の預貯金を差し押さえた場合には、債権者は預貯金を強制的に解約して、銀行から預貯金の払い戻しを受けることにより、債権を回収することができます。

ビットコインへの差押えは、認められない

 

以上のように、差押えの対象になるのは債務者のすべての財産なのですから、債務者がビットコインを持っているときには、債権者はそのビットコインを差し押さえることができそうにも思えます。

 

しかし、ビットコインへの差押えは、法的に認められていません

それは、ビットコインの性質と関わります。以下で、どういうことなのか、ご説明します。

 

ブロックチェーンの仕組み

 

ビットコインの保有状況については、「ブロックチェーン」に記載されています。ブロックチェーンは、特定の誰かが管理しているものではなく、ネット上に存在しており、世界中のコンピュータにダウンロードすることができるものです。

何らかの取引があると、その取引がブロックチェーンに書き込まれて、情報がどんどん更新されます。

 

ビットコインユーザーは、常に更新された最新のデータをダウンロードします。

このように、ビットコインの保有は、「ブロックチェーンに刻み込まれた記録」に過ぎません。

 

技術的に、ビットコインに対する差押えができない

 

以上を前提に、差押えができるかどうかを検討しましょう。

ビットコインの保有はブロックチェーンに刻み込まれた記録ですから、差押えをするためには、ブロックチェーンに対する新たな書き込みが必要です。

 

しかし、現在の技術によっては、ブロックチェーンに差押えの書き込みをすることができません。

 

また、物に対する差押えの場合には、物理的にその物の占有を奪い、執行官などに管理させることで、差押えをすることができます。しかし、仮想通貨の場合、誰かにブロックチェーンの管理をさせようとしても、ブロックチェーンはデータですから、物理的に管理することはできません。そこで、物に対する差押えの方法も使うことができません。

 

さらに、預貯金のように、特定の「銀行」などに対する「債権」であれば、銀行に対する預貯金の払い戻し請求権という「債権」を差し押さえることができます。これに対し、ビットコインの保有は、単なる「ブロックチェーンに書き込まれたデータ」にすぎず、誰に対する「債権」でもないので、預貯金のように、債権の差押えをすることも不可能です。

 

以上のような理由から、現在の法律によっては、ビットコインなどの仮想通貨に対し、差押えができないのです。

民間人同士の取引だけではなく、税金を滞納したときに税務署が差押えをすることもできないと考えられています。

 

ビットコインは「安全資産」

 

このようなことからすると、現時点においては、ビットコインなどの仮想通貨は「非常に安心な資産」と言えます

借金や税金を滞納しても、決して取り立てに遭うことがないからです。

 

今後、法規制が行われる可能性がある

 

ただ、差押えができないことは、法律が本来意図していたというわけではないため、現在の法律の「穴」であるとも指摘されています。

そこで、現時点においてはビットコインへの差押えが認められないとしても、今後はこの状況が変わっていく可能性が十分にあります。

 

現に、イギリスでは、仮想通貨への差押えをするための法制度の整備が進められているようですし、日本でも、2017年4月に仮想通貨法体制が整備されたところですから、今後法規制がさらに進んで行くでしょう。

 

ビットコインへの所有権は認められない

所有権とは

 

次に、ビットコインに対する「所有権」が認められるのかについても、検討しましょう。

 

所有権というのは、「物に対する排他的な支配権」であると考えられています。

所有権が成立するためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

  • 対象が有体物
  • 排他的な支配ができる

 

「ビットコインに所有権が及ぶのか」

この点については、裁判所による判断が出ているので、ご紹介します。

 

かつて、MTGOX社というビットコインの取引業者が破綻したときに、債権者が所有権にもとづいて、ビットコインの返還を求めた事件がありました。

そのとき、裁判所は、以下のような判断をしています(東京地裁平成27年8月5日)。

 

ビットコインは有体物ではない

 

まず、裁判所は、ビットコインは有体物ではないと判断しています。

ビットコインはデジタル通貨や暗号学的通貨ですし、ビットコイン取引所の利用規約でも、ビットコインは「インターネット上のコモディティ(商品)」であるとされています。

 

また、ビットコインの仕組みや技術が、インターネットのネットワークを利用しています。このように、ビットコインは「ネット上のデータ」である以上、物理的な形を持った有体物とは言えません。

 

ビットコインは、排他的な支配ができない

 

また、裁判所は、ビットコインに対する排他的な支配も不可能であると判断しています。

それは、以下のような理由によります。

 

1つに、ビットコインのブロックチェーンによるデータは、ネット上で公開されているので、誰でもアクセスして自分のコンピュータにダウンロードすることができます。つまり、ブロックチェーンデータは、多数の人が保有しているものと言えます。

 

2つ目として、ビットコインを送金するときには、送金する当事者だけではなく、ブロックチェーンデータを書き換えるマイナーなどの、他者の関与が必要です。そこで、送金者や受信者だけが、排他的に管理しているものとは言えません

 

さらに、ある時点におけるビットコインの残高は、ネット上のブロックチェーンに記録されているデータに過ぎず、特定のビットコインアドレスが、そのアドレスにおける残高データを個別に管理しているわけではありません。

 

このようなことからすると、ビットコイン(=ブロックチェーンのデータ)を、特定のビットコインアドレスを持った人が、排他的に支配しているとは言えない、としたのです。

 

 

以上のように、ビットコインについては、有体物としても認められない上、排他的な支配も不可能なわけですから、所有権は認められません。

 

そこで、上記の裁判では、原告による、「所有権にもとづくビットコインの返還請求権」を否定して、所有権にもとづくビットコインの返還請求を棄却しました。

 

今後、ビットコインの返還を受けたいときには、所有権にもとづく返還請求という構成ができないということなので、覚えておきましょう。

 

ビットコインが不正アクセスされた場合の損害賠償請求権について

ビットコインに対する不正アクセスとは

 

ビットコインは、ブロックチェーンに記載されたデータです。

そこで、不正アクセスを受けることにより、データが書き換えられたり消失したりすることがあります

 

実際に、過去にMTGOX社が破綻したときにも、不正アクセスによって大量のビットコインデータが失われたことが、きっかけとなっています。

 

このように、不正アクセスによってデータが失われた場合、被害者は、誰にどのような請求をすることができるのでしょうか?

 

不法行為にもとづく損害賠償請求ができる

 

この場合には、不正アクセスをした相手(加害者)に対し、「不法行為にもとづく損害賠償請求」をすることができると考えられています。

 

不法行為にもとづく損害賠償請求というのは、加害者の違法な行為によって被害者に損害が発生したときに、被害者が加害者に対して損害賠償請求ができることです。

 

そこで、不正アクセスによって被った損害として、加害者に支払い請求することができます。

 

不当利得返還請求ができる

 

また、加害者が不正アクセスによってビットコインを自分のものとするなどして、不正に利益を得ている場合には、不当利得の返還請求も可能です。

 

不当利得にもとづく返還請求というのは、法律上の原因なく利益を受けている人に対し、損失を受けた人が返還請求できることです。

 

以上のように、不正アクセスの被害に遭った場合には、加害者が明らかになったら、損害賠償金の請求または不当利得の返還請求ができるので、被害者が救われるための道があります。

 

売買契約で、仮想通貨の引き渡しが受けられない場合について

 

ビットコインを売買契約の対象にすることがあります。

その場合、売主がビットコインの引き渡しをしないときには、売買契約にもとづいて、買主が売主に対し、ビットコインの引渡請求をすることができるのでしょうか?

 

先ほど、ビットコインに対しては、所有権が認められないと説明しました。

このことからすると、買主は、ビットコインの「所有者」として、売主に対し、引き渡し請求をすることは認められないことになります。

 

ただ、売買契約を締結している場合、買主は、売主に対して、「売買契約にもとづく、目的物の引き渡し請求権」という「債権」を持っています。

そこで、この債権にもとづいて、ビットコインの引き渡しを求めることが可能です。

 

もし、相手が引き渡しに応じない場合には、契約を解除したり、損害賠償請求をしたりすることが可能となります。

 

ただし、先ほど説明した通り、仮想通貨には差押えをすることが認められません。

そこで、売買契約にもとづいて相手に引き渡し請求をしても、任意に引き渡しをしてもらえない場合、ビットコインそのものに強制執行(差押え)をすることはできないことになります。

 

あくまで、損害賠償請求をして現金で賠償をしてもらうか、解除をして支払い済みの代金返還請求をすることで、救済を受ける必要があります。

 

まとめ

 

今回は、ビットコインに対する差押えが認められるのかという問題や、ビットコインへの所有権、不正アクセスを受けた場合の対処方法や売買契約の場合など、ビットコインにまつわる法律問題を解説しました。

 

現時点におけるビットコインに対する差押えは認められないのですが、これは法律の穴であると考えられています。今後、差押えが認められるように法改正が行われる可能性もあるので、注意して見ていきましょう。

 

ビットコインは新しくできたものなので、法律がまだまだついていっていない部分があります。

ビットコインと法律については、これからもどんどん状況が変わっていく可能性があるため、見守っていくと良いでしょう。

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