仮想通貨でありがちな詐欺や金銭トラブルについて

 

仮想通貨の人気がどんどん高まっていますが、反面、仮想通貨を巡るトラブルも増えています。

国民生活センタ-や警察に対する相談事例も多いです。

 

また、仮想通貨に投資をするときに、個人間でお金を貸し借りしたことが、トラブルに発展することもあります。

 

そのようなとき、どうやって対処したら良いのでしょうか?

また、トラブルに遭わないための対策も知っておきましょう。

 

今回は、仮想通貨でよくある詐欺や金銭トラブルと対処方法を解説します。

 

仮想通貨詐欺とは

 

仮想通貨人気の高まりに比例して、仮想通貨に関連した詐欺も増えています。

最近では、リップルコインの取引所を運営していたリップルトレード社の代表者が、顧客から現金をだまし取ったとして、逮捕された事例もありました。

 

実際に、仮想通貨に関連した詐欺は、このようなニュースで報道されるような大きな事件以外にも、たくさん起こっています。

 

国民生活センターによると、仮想通貨の購入などに関するトラブル事例は、2014年には194件であったところ、2015年には440件、2016年は634件となっており、年々大きく増加を続けています

おそらく、2017年は、昨年よりさらに増えることが予想されます。

 

たとえば、知人や業者から「必ず値上がりする」と誘われて仮想通貨を買ったけれど、値上がりどころか、お金も全く戻ってこない、などの例があります。

 

仮想通貨取引に関心を持っている方は、こういった仮想通貨詐欺に遭わないよう、注意しましょう。

 

仮想通貨詐欺でよくあるパターン

 

仮想通貨詐欺には、具体的にどのようなパターンが多いのでしょうか?以下で、よくある事例をご紹介します。

 

「必ずもうかる」と言ってくる

 

仮想通貨に関心を持っている方は、「仮想通貨に投資をして、もうけたい」と思っていることが多いです。

そこで、悪質な業者は、そういった心理につけ込もうとします。

 

仮想通貨と言えばビットコインが有名ですが、こうした詐欺に使われるのは、ビットコインではない多種多様な別のコイン(アルトコイン)です

 

まずは、「〇〇というコインがある」と言って、売り込んできます。

そのコインが、いかに信憑性が高く期待されているものかなど、説得的に説明を続けて「必ずもうかります」と言います。

 

そして、購入者がその気になってお金を支払うと、仮想通貨は値上がりするどころか、ほとんど値がつかず、支払ったお金は完全に無駄になってしまいます。

 

代理店や知人を介して購入を勧める(マルチ商法)

 

仮想通貨の購入を、代理店や知人を介して勧めるパターンも、危険です。

こうした仮想通貨は、いわゆるマルチ商法である可能性があります。

 

自分がある商品を購入し、その後他の人に売ると、売った分の利益がもらえるというものです。

たくさんの人に売れば売るほど利益が入りますが、売れなければ、まったくもうかりません。

昔からある商法ですが、最近は、仮想通貨に関心を持つ人が多いので、仮想通貨にシフトしてきているのです。

 

もちろん、投資した仮想通貨自体に価値はありませんから、仮想通貨自体の値上がりでもうけることはできません。

 

また、価値のないものを価値があると信じさせて購入させる行為は、詐欺になりますから、勧誘方法を誤ると、詐欺罪になってしまうおそれもあります。

 

セミナーを開催する

 

最近多いのは、「セミナーを開催する」パターンです。

業者が「新しい仮想通貨が販売されます」などと言って、セミナーや説明会を開催します。関心を持って行ってみると、「3年後には10倍以上になります!」などの多彩な売り込み文句を並べ立てられて、その気になり、購入を申し込んでしまいます。

 

しかし、実際にはそんな仮想通貨は販売されることもないまま、プロジェクトが終わってしまいます。もちろん、お金は返ってきませんし、業者とも連絡が取れなくなってしまいます。

 

価格保証がある

 

仮想通貨を購入しようとするとき、業者が「価格保証をします」と言うことがあります。

この場合、まず詐欺だと考えるべきです。

 

仮想通貨は、基本的に元本割れする可能性があるものです。仮想通貨交換業者を規制する資金決済法にも、取引をするとき、業者は「リスクがあることを説明する義務」を負います。

 

価格保証をする業者は、正規の業者でない可能性が高いです。

当然、取り扱っている仮想通貨も怪しいですし、本当に仮想通貨を取り扱っているかどうかもわかりません。

 

こういった業者を利用して仮想通貨を購入しても、実態がなく、お金だけをだまし取られてしまいます。

 

最低購入価格がある

 

仮想通貨を販売しようとする業者には「最低購入価格」を設定しているものがあります。

この場合も、基本的に怪しいと考えるべきです。

 

一般の正規の仮想通貨取引所では、1万分の1ビットコインから購入することができます。40~50円くらいの金額です。

ところが、詐欺業者は、「最低10万円から」などと言ってきます。そのくらいの金額を支払ってもらわないと、効率よくお金を集めることができないからです。

 

最低購入価格があると言われたら、そのような仮想通貨は購入すべきではありません。

 

限定販売

 

「今しか売れません」「日本でしか買えません」「特別な許可がないと、購入できません」「発行前に、限定販売します」などのうたい文句で売り込んでくる仮想通貨にも、注意が必要です。

 

これも、典型的な詐欺のパターンです。

 

一般のまともな仮想通貨は、世界中、いつでもどこでも購入することができるからです。

限定をつけられた時点で、怪しいと考えましょう

このような仮想通貨を買うと、お金だけをだまし取られてしまうことになります。

 

LINEグループに誘い込む

 

最近では、仮想通貨購入のLINEグループに誘い込もうとする手口が増えています。

 

「ビットコインの価格情報」「アルトコインの値上がり情報をシェア」などとして、書き込みが行われています。

グループに入ると、複数の人が「もうかった」などと書き込んでいるので、見ている人は、ついつい購入してしまいます。

しかし、結局は詐欺なので、お金を取られただけで終わってしまいます。

 

ハイプ(HYIP)

 

ハイプ(HYIP)は= High Yield Investment Programです。

仮想通貨を預けると、期間に応じて金利を受けとることができるものです。

金利は莫大で、1日預けるだけで利息が数パーセントもらえるケースなどもあります。

 

しかし、もともとが詐欺なので、すぐに連絡が取れなくなり、預けたコインをだまし取られてしまいます。

 

仮想通貨詐欺に遭わない方法

 

仮想通貨詐欺に遭わないためには、以下のようなことに注意しましょう。

 

正規の仮想通貨取引所で取引をする

 

まずは、正規の仮想通貨取引所を利用することです。

 

日本では、2017年4月1日から資金決済法が改正されて、仮想通貨の取引は、仮想通貨交換業者でないとできないことになっています。

きちんと登録して国の認証を受けている業者しか、仮想通貨の取扱いをしてはいけないのです。

それ以外の業者は、違法業者(ヤミ)です。

 

精機の仮想通貨交換業者は、財政的な基盤もしっかりしていますし、実体のある、価値のある仮想通貨しか取り扱っていません。

そこで、仮想通貨交換業者を利用している限りは、仮想通貨詐欺に遭うおそれがほとんどないのです。

 

また、仮想通貨交換業者は、業者の資産と顧客からの預かり資産を分けて管理しているので、たとえ業者が倒産しても、資産が守られて安心です。

 

2017年10月13日時点で、精機の仮想通貨交換は、以下の11社です。

  • 株式会社マネーパートナーズ
  • QUOINE株式会社
  • 株式会社bitFlyer
  • ビットバンク株式会社
  • SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社
  • GMOコイン株式会社
  • ビットトレード株式会社
  • BTCボックス株式会社
  • 株式会社ビットポイントジャパン
  • 株式会社フィスコ仮想通貨取引所
  • テックビューロ株式会社

他に申請中の業者もあり、今後増えていく予定です。金融庁の発表をチェックしておきましょう。

ちなみに、日本ではビットバンクが有名です。↓

bitbank.cc (ビットバンク)の評判やメリット・デメリット、使い方

 

ホワイトリストのコインを利用する

 

日本では、信頼できる仮想通貨を「ホワイトコイン」として分類する制度がもうけられています。

国が認めた仮想通貨の認定団体である「社団法人日本資金決済業協会」が、「この仮想通貨は実体があって価値がある」として認めたコインのリストを作っているのです。

 

現在、ホワイトリストに登録されているコインは、以下の通りです。

  • BTC(ビットコイン)
  • BCH/BCC(ビットコインキャッシュ)
  • ETH(イーサリアム)
  • ETC(イーサリアムクラシック)
  • LTC(ライトコイン)
  • XRP(リップル)
  • MONA(モナコイン)
  • XEM(ゼム(ネム)
  • FSCC(フィスココイン)
  • NCXC(ネクスコイン)
  • CICC(カイカコイン)
  • XCP(カウンターパーティー)
  • ZAIF(ザイフ)
  • BCY(ビットクリスタル)
  • SJCX(ストレージコインエックス)
  • PEPECASH(ぺぺキャッシュ)
  • Zen(ゼン)

ホワイトリストに入っていないコインは、仮想通貨交換業者が取り扱わないので、日本では、事実上取引できなくなります。

日本国内で仮想通貨の取引をするなら、ホワイトリストに入っていないコインに手を出さないことです。

 

マーケットキャンプをチェックする

 

海外の取引所を利用するなら、ホワイトリストに入っていないコインの取引をすることもできます。

その場合には、必ず「マーケットキャンプ」をチェックしましょう

 

マーケットキャンプの正式名称は「CryptoCurrency Market Capitalization」です。

このサイトには、世界中の仮想通貨取引所で取り扱われている仮想通貨が載っているので、そのリストを見ると、まともな仮想通貨かどうか、判断できます。

リストにない仮想通貨には、手を出さないことです。

 

以上のような点に注意したら、仮想通貨詐欺に遭うことはなくなるでしょう。

 

仮想通貨投資のため、個人間で金銭貸し借りするトラブル

仮想通貨投資を巡る個人のトラブルの典型例

 

仮想通貨でよくあるトラブルには、もう1つ類型があります。

仮想通貨投資をするために、個人間でお金の貸し借りをするのです。

 

たとえば、以下のようなケースです。

 

Aさんは、恋人のBさんから、「ビットコインに投資してみない?」と誘われました。

Aさんが躊躇していると、Bさんは、「僕が運用してあげる。値上がったら、ビットコインを渡してあげるから、何もしなくても儲かるよ」と言います。

Aさんは、「それなら」と思って、Bさんに現金を渡します。Bさんは口座を開いて運用しているようですが、Aさんには特に報告がありません。

 

その後、AさんとBさんが別れてしまい、Bさんとは音信不通になってしまいます。

AさんはBさんに「お金を返して、ビットコインを渡して」と言いますが、Bさんは無視して返しません。

 

恋人ではなく、友人同士のパターンなどもあります。

 

このような場合、AさんはBさんに、お金を返してくれるように求めることができるのでしょうか?または、値上がりしたビットコインを渡してくれるように言うことができるのでしょうか?

 

基本的に、貸したお金の返還請求ができる

 

この場合、Bさんは、当初からAさんを騙そうとしていたわけではないので、前に紹介した事例とは異なり、詐欺にはなりません。

 

AさんとBさんの間には、金銭消費貸借契約が成立していると考えられます。

すなわち、AさんはBさんにお金を貸しつけているので、後にBさんからお金の返還を受ける権利を持っています。ビットコインの引き渡しを受ける権利ではありません。

 

そこで、AさんはBさんに対し、基本的には、貸し渡したお金の返還を求めることができます。値上がりしたビットコインの引き渡しを求めることは、難しいでしょう。

 

ただし、もともとの契約において「返済方法としては、投資したお金で得られたビットコインそのものを引き渡す」ことを明らかにしていたら、ビットコインによる返還を受けられる可能性もあります。

 

契約書を作成しておくことが重要

 

また、このような場合、Bさんは「お金を借りた覚えはない」と言って、金銭消費貸借契約の成立を否定してくる可能性があります。

そうなると、Aさんが、契約があったことを証明しなければなりません。

 

ところが、恋人や友人などの人間関係がある場合、多くのケースで契約書を作成していません。そうなると、返還請求をしても、まったくお金が返ってこなくなることがあるので注意が必要です。

 

個人間の取引によるトラブルを防ぐ方法

 

それでは、友人や恋人などの間で仮想通貨絡みのトラブルを避けるためには、どのようにしたら良いのでしょうか?

 

基本的には、仮想通貨に投資をするとき、人にお金を渡して運用してもらう、ということは辞めておくべきです。投資をするなら、自分で責任持って行いましょう。

 

どうしても人にお金を渡して投資を任せたいなら、必ず契約書を作成しておくべきです。

現金で返してもらうのか、ビットコインの形で返してもらうのかについても、明らかにしておきましょう。

 

恋人や友人関係は、思っているより簡単に壊れてしまうので、過信しないことがトラブルを避けるポイントです。

 

まとめ

 

今回は、仮想通貨の取引でよくあるトラブルについて、解説しました。

 

仮想通貨詐欺に引っかからないためには、正規の仮想通貨交換業者を利用し、ホワイトリストに載っている通貨だけにとどめておくことが大切です。

 

仮想通貨に投資するときには、必ず自分で口座を開いて運用しましょう。

仮想通貨は、法律的な「通貨」ではありませんが、金銭的な価値を持つものなので、トラブルの原因になりやすいです。

 

自覚をもって取り扱うことにより、安全に運用していきましょう。