仮想通貨「Augur(オーガー)」の予測市場は我々の社会に革命をもたらすのか?

 

仮想通貨は従来の通貨とは異なる性質をもっているため、その性質を利用した新しいサービスが現在の社会では次々に誕生し始めています。

 

今回はAugur(オーガー)という予測市場において大きな変革をもたらす可能性がある仮想通貨について紹介します。

 

予測市場とは

 

予測市場とは「市場は個人よりも賢い」という原則のもと、民主主義の力を利用して将来を予測する市場のことです。

 

一般の市場では株・債券やコモディティなどの取引が行われますが、予測市場では「北朝鮮と米国は2017年度中に戦争をするか?」、「野球チームAは優勝するか?」などの問いに対して、「YES」か「NO」で答えます。

 

その予測が的中すれば、参加者は配当を得ることができます。

専門家による将来予測は、個人のバイアスによって必ずしも的中するとは限りません。

 

しかし大多数による将来予測は専門家による予測よりも的中することが多く、このことを群衆の英知(The Wisdom of Crowd)と呼びます。

 

現在、予測市場は主に米国のアイオワ電子市場(Iowa Electronic Market; IME)とアイルランドのイントレード(Intrade)で行われています。

 

Augur(オーガー)とは

 

オーガーはEtherium(イーサリアム)のブロックチェーンを利用し、予測市場における群衆の英知(Wisdom of the Crowd)という特性を生かすために開発された仮想通貨で、オーガーの名前の意味は「占い師」を指します。

 

オーガーはイーサリアムのスマートコントラクト(過去のすべての取引履歴などを公開・記録する技術)を活用し第三者によるレポーター(事実認定をする審判)によって、胴元が存在しない予測市場を実現しています。

 

オーガーはスマートコントラクトの技術によって、今までには存在しなかった透明度の高い予測市場を世界中の人々に提供しているのです。

 

Augur(オーガー)が保険のビジネスシステムを変える?

 

現在の保険のシステムはギャンブルに類似した性質があります

 

保険加入者は「自分が将来的に病気になって入院をする」、「交通事故で死亡をする」という将来のリスクに備えて、毎月の保険料を支払います。

掛け捨て型の保険の場合、保険契約終了まで病気よる入院や事故によるケガがなければ1円も受け取ることができません。

 

しかし入院や事故によるケガが多ければ、自分が支払った保険料以上の保険金を受け取ることができるのです。

 

さらに保険会社の運営には人件費や広告宣伝費、テナント料などのコストが発生します。

そのため保険加入者は「付加保険料」という保険会社の運営に必要なコストを、毎月の保険料から負担する必要があります

 

しかしオーガーを利用して「自分は30年以内にガンになる。」という未来予測をし、「YES」という選択をすればガンになったときは「配当金」を得ることができるので「保険金」として使うことができるのです。

 

さらに現在ある保険会社と異なり、オーガーには運営費がなく、人件費もないため、保険会社に支払っていたコストが発生しません。そのため、オーガーは今後、保険会社のビジネスシステムを大きく変える潜在能力があるといえるのです。

ちなみに、保険業界を変えるコインと言えば、IXが有名ですね。これから爆発するかもしれないコインなので、知っておきましょう。

IXの記事↓

iXLedger(IXT)の特徴や将来性、評判、動向

 

Augur(オーガー)の課題

 

オーガーによる予測市場は今までには存在しなかった画期的なシステムですが、オーガーには大きな課題があります。

それは予測市場は多くの国において「賭博罪」が適応され、違法となってしまうことです。

 

日本においてもオーガーが提供する予測市場に参加をすると賭博罪として検挙される可能性があるので、予測市場への参加は注意が必要です。

 

また新しい保険システムを誕生させる可能性はありますが、個人に対する予測市場の結果は正確に判断するのはまだまだ難しいのが現状です。

 

報道などにより公開された情報ではなく、個人の情報は非常に限定的であり、情報提供者が虚偽の情報を伝えることにより不正の温床となってしまう可能性もあります。

そのため、個人の結果を予測市場に反映させるにはより結果を判定するシステム構築していく必要があります。

 

投資目的としてのAugur(オーガー)

 

オーガーを取り扱っている取引所は少なく、2017年10月現在、日本国内の取引所ではコインチェックしかありません

2017年10月25日現在では時価総額は28位で1REPあたり2034円で取引をされています。

 

オーガーはイーサリアムやリップルのように日常の決済などへの使用目的で開発されていないので、現段階では需要の高まりによる値上がりは期待できません。

 

オーガーは予測市場において能力を発揮する仮想通貨ですが、前述のとおり現状ではアイルランドなどの一部の国家を除き「賭博罪」が適応されます。

 

オーガーの需要が高まるには、予測市場の有用性が世の中にさらに認知され、予測市場が「賭博罪」が適応されない政府公認によるマーケットになる必要があります。

そのため、オーガーが大幅な値上がりをしていくのはまだまだ時間がかかると言えるでしょう

 

総論

 

オーガーの誕生は世界中の人々に胴元がいない予測市場に自由に参加できる権利をもたらしました。

 

その一方で世界中の多くの国々においては、予測市場への参加は「賭博罪」が適応されるため、オーガーが提供する予測市場への参加は違法となります。

予測市場は専門家による予測よりも精度が高く、その結果を社会に活かすことや新たな保険システムを生み出すことも可能です。

 

今後、世界各国の予測市場に対する規制緩和がオーガーという画期的なシステムの鍵となるでしょう。