
近頃、「仮想通貨」に関してメディアで頻繁に取り上げられるようになりました。
「仮想通貨」というと、2008年に「サトシ・ナカモト」と名乗る人物により提唱されたビットコインを真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ビットコインに関しては発表後まもない2010年3月時点では1ビットコイン(BTC)あたり1円にも満たない値段で取引されていましたが、2017年10月20日午後0時現在1BTC あたり642122円まで値上がりしています。
投資、投機など目的は様々でしょうが、多くの人々が興味を示しているのは明らかです。
しかしながら、「仮想通貨」と聞いただけで拒否反応を示してしまったり、「私には関係ない」としてこれを一蹴してしまう方が多いのも現状です。
聞きなれない用語であったり、複雑な数学的理論が多用されることにより仮想通貨を嫌厭してしまうのも、ある意味自然な反応と言えるかもしれません。
一方で、仮想通貨は現在の政治・経済の枠組みを根本から揺るがしかねないポテンシャルを持った「概念」です。
したがって、これに関する最低限の知識を持っておくことは「仮想通貨黎明期」を今まさに生きている私たちにとって必要不可欠なことです。
本記事においては、専門的な事柄に関しては最小限にとどめながら、「仮想通貨」という日本語を初めて耳にした方でも概要をしっかりと理解していただけるように、仮想通貨とは何か、なぜそれが重要なのか、これの持つ意義は何なのか、といったことに関して解説していきます。
本稿を読んでいただくことで、ビットコインを中心とした仮想通貨に対する基本的な考え方が身につき、より応用的なトピックをご自分で研究されていく上での抵抗感も拭うことができるでしょう。
目次
- 1 仮想通貨の定義
- 2 仮想通貨の始まり
- 3 暗号通貨とはなにか
- 4 ビットコインとオルトコイン
- 4.1 ビットコイン(Bitcoin:通貨単位BTC)(時価総額1位)
- 4.2 イーサリアム (Ethereum:通貨単位 ETH)(時価総額2位)
- 4.3 リップル(Ripple:通貨単位 XRP)(時価総額3位)
- 4.4 ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash:通貨単位 BCH)(時価総額4位)
- 4.5 ライトコイン(Litecoin:通貨単位 LTC)(時価総額5位)
- 4.6 ネム(NEM:通貨単位 XEM)(時価総額 7位)
- 4.7 モナコイン(Monacoin:通貨単位 MONA)(時価総額37位)
- 4.8 ダッシュコイン (Dash:通貨単位DASH)(時価総額6位)
- 4.9 モネロ(Monero:通貨単位XMR)(時価総額10位)
- 4.10 イーサリアムクラシック(Ethereum Classic:通貨単位 ETC)(時価総額12位)
- 4.11 ジーキャッシュ(Zcash:通貨単位 ZEC)(時価総額16位)
- 4.12 リスク(Lisk:通貨単位LSK)(時価総額17位)
- 4.13 オーガー (Augur:通貨単位 Rep)(時価総額28位)
- 4.14 ファクトム(Factom通貨単位:FCT)(時価総額47位)
- 5 「仮想通貨交換業」に登録してある信頼できる取引所
- 6 まとめ
仮想通貨の定義
さて、仮想通貨という概念を理解する上で、「仮想通貨」という言葉の意味するところについて考えることが重要です。
2016年5月に仮想通貨法が国会で成立し、2017年4月に施行されました。
これによると、「仮想通貨」とは、以下のように定義されています:
資金決済に関する法律 第二条 5
この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移することができるもの
もう少し噛み砕いてみると
仮想通貨とは、「物やサービスを購入したり借りたりする際、決済手段として不特定の人に対し使用でき、同様に購入・売却が可能で財産的価値(電子データであり、円やドルといった通貨及びそれらの通貨建ての資産は除く)を持ち、コンピュータシステムを用いて所有権の移転ができるものであり、不特定の人に対して交換を行うこともできるもの」であるといえます。
つまり、国が発行しているわけではなく、物理的な存在があるわけではないが、商取引で実際に用いることができ、資産としての役割も担うという存在なのです。
実際、「ビットコイン取引量日本一」のbitFlyerにおいては、「仮想通貨」が以下のように説明されています
仮想通貨とは、インターネットを通じて不特定多数の間で物品やサービスの対価に使用でき、中央銀行などの公的な発行主体や管理者が存在せず専門の取引所を介して円やドル・ユーロ・人民元などの通貨と交換できます。仮想通貨の種類は600種類以上あるといわれています。
さて以上のような形で現在、法的に認識されている仮想通貨ですが、
これよりもっと以前から、具体的にはビットコインが生まれる前から、仮想通貨という概念は存在していました。
仮想通貨の始まり
仮想通貨とはそもそも何でしょうか?
仮想通貨とは “virtual currency” を日本語に訳したものであり、文字通りvirtual 、すなわちバーチャルな通貨ということになります。
オンライン辞書デジタル大辞泉によると、 「仮想通貨」とは以下のように定義がなされています:
オンラインゲームやコミュニティーなど特定のサービスで使用できる通貨。現金や獲得したポイントとの交換によって入手し、商品やサービスを購入したり、ゲームで使用するアイテムと交換したりすることができる。不正防止のために高度な暗号化技術を用いているものは、暗号通貨ともいう。
すなわち、辞書的に言うと
仮想通貨とは「オンラインゲームやコミュニティーなど特定のサービスで使用できる通貨」をさします。
例えばRPGのゲームで敵を倒してゴールドを手に入れて武器を買うことができますが、
ゲーム世界の中で価値のあるお金であって実際にそのお金でスーパーに行って物を買えるわけではありません。
といったように、実は仮想通貨というのは「オンラインゲーム」や「コミュニティー」で使用できる「通貨」というかたちで長い間存在していたのであり、現在も存在しています。
大切なのは、ここにおける「仮想通貨」が実用的な価値をほとんど持っていないということなのです。
したがって、このように見てくると「仮想通貨」に関する法的な定義および辞書的な定義において大きな乖離があることがお分かりかと思います。
すなわち仮想通貨は、辞書的かつ従来からの考えによれば実用的な通貨としての役割を持っていなかった一方、法的には「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる」というように、通貨としての役割が実質的に認められているということなのです(したがって、例えばビットコインは非課税となっており、円で購入するという場合に消費税はかかりません)。
この認識の違いの背景には、「仮想通貨」というとき、私たち日本人の多くはこれを「オンラインゲーム上の通貨」というよりも「ビットコインなどの実用的な価値を持つ通貨」として認識しているという現状があるのです。
法律で「仮想通貨」という名称が採用されたのも、「仮想通貨=ビットコイン」というような図式が日本において定着しているという現状が反映された結果であるようにも思えます。
実際に、筆者のパソコンで「仮想通貨とは」とグーグル検索してみると、トップの検索候補には以下のような見出しが並びます(2017年10月20日午後0時現在)
・仮想通貨とは – ビットフライヤー
・ビットコイン(Bitcoin)とは仮想の通貨【bitFlyer】 – ビットフライヤー
・仮想通貨 – Wikipedia
・ビットコインとは!人気の仮想通貨についてわかりやすく解説
・仮想通貨に投資をするときの心構え – Genx Notes
・仮想通貨は「通貨」と言えるのか:日経ビジネスオンライン
・仮想通貨とは | ビットコインのFX・売買 | GMOコイン
・仮想通貨のやさしい始め方|ビットコインだけが仮想通貨じゃない!
・貯金1000万を仮想通貨に換えた男のブログ
これにみられるように「仮想通貨ときたらビットコイン」という認識が少なからず存在するのです。
検索結果の中で、ゲーム内で使える通貨の用語は(少なくとも1ページ目には)皆無となっています。
さて、ここで先ほどのデジタル大辞泉における定義の最後の文に注目してほしいのです。
不正防止のために高度な暗号化技術を用いているものは、暗号通貨ともいう。
デジタル通貨。バーチャルカレンシー。→ ビットコイン
「不正防止のための高度な暗号化技術」に関しては少し複雑な内容となって「仮想通貨」に関する概要を紹介するという本稿の趣旨から外れますので割愛するとして、
大切なのは「仮想通貨の代表格」として多くの方が認識しているビットコインにおいて、暗号化技術が用いられているということなのです。
すなわちビットコイン(ビットコイン以外の暗号通貨であるオルトコインも含む)とは、本質的には暗号通貨なのです。
したがって、オンラインゲームなどといった文脈で取り扱われない限り、「仮想通貨」は暗号通貨を意味するのです。
となると当然「仮想通貨」を理解しようという時に「暗号通貨」に関して概要を把握しておくことが大切です。
そこで、次章では暗号通貨について大まかに見ていきたいと思います。
暗号通貨とはなにか
さて、仮想通貨といった場合これが暗号通貨を意味することは先ほど述べましたが、一体暗号通貨とは何でしょうか。
再びデジタル大辞泉で調べてみると、以下のような定義がなされています:
不正防止のため、高度な暗号技術を用いる仮想通貨。
クリプトカレンシー。クリプトコイン。→ビットコイン
すなわち、仮想通貨の中でも、「高度な暗号技術を用いる」ものであるようです。
いまいちはっきりしないので、もう少し読み進めて「補説」に目を通すと以下のような記述があります:
ネットワーク上で共有される取引情報により管理され、受け渡しの整合性を確認することで通貨として機能する。確認作業の際には膨大な計算が必要なため、通貨の流通量が極端に増加しない仕組みになっている。
暗号通貨という概念を初めて耳にする方はこの文章を読まれてもあまりピンとこないかもしれませんが、ここで大事なのは「ネットワーク上で共有される取引情報により管理される」という点です。
ビットコインをはじめとした仮想通貨(暗号通貨)が注目されるのは、本質的にはこの特徴によるものであるといっても過言ではありません。
日本円であれば日本銀行、米国ドルであれば連邦準備銀行(FRB)、欧州ユーロであれば欧州中央銀行(ECB)といった各中央銀行によって通貨が管理されていますが、暗号通貨は「ネットワーク」により管理されているというのです。
すなわち、ビットコインをはじめとする暗号通貨は、日本円や米国ドルのように単一の第三者によって管理されているのではなく、暗号通貨の「ネットワーク」に参加する人々全体によって管理されているという点が画期的なのです。
これだけでは若干抽象的ですから、仮想通貨市場で時価総額が最大のビットコインを例として、仮想通貨の特徴に関して若干掘り下げて見ていきたいと思います。
(なお、今まで見てきましたように法律では「仮想通貨」という用語が用いられており、我々日本人の一般的な認識としても「仮想通貨」という用語が定着しているということを鑑みて、本稿でも「暗号通貨」の代わりに「仮想通貨」という用語を用いていきたいと思います)
仮想通貨の特徴:ビットコインを例に再考
ビットコイン(のネットワーク)の主要な特徴を挙げると、以下のようなものがあります。
・非中央集権的である
・プライバシー性が高い
・透明性が高い
これらに関して、従来の金融の仕組みの比較も交えながら順番に見ていきましょう。
非中央集権的である
伝統的な金融機関というのは、データの安全性を保証すると同時に不正を防止することを目的として、私たちのデータを一括管理してくれています。
何か不正な取引が生じた場合、銀行に電話をすればそれなりの対応をしてくれますし、クレジットカードを無くした場合でもクレジットカード会社はカード使用停止措置を取るなどして対応してくれます。
こうした対応ができるのも、彼らが私たちのデータを一括に担っているからです。
この意味において、伝統的な金融機関は中央集権的であると言えます。
一方、ここにおいてはいわゆる単一障害点が存在するので、どうしてもハッキングなどに対する脆弱性が問題となります。
実際に、ビジネスに特化したソーシャル・ネットワーキング・サービスであるLinkdInにおけるハッキングや、米国家安全保障局のハッキングなどは、こうした脆弱性を狙ったものでした。
ビットコインにおいては個人のデータの一貫性でありセキュリティはネットワークにより保証され、個人が責任を持って管理していくという考え方が採用されています。
私たちのデータを他人に明け渡す必要性は、原則ないのです。
もう少し具体的にいうと、私たちは自らが持つビットコインにアクセスするための「鍵」を持っていて、この「鍵」は私たちが自分で保管しているものです。
銀行や政府のデータがそうであるように、第三者のサーバーに保管されているというものではありません。
つまり、「鍵」を保有しているのは自分だけですのでこれをしっかり管理する義務があります。
必要とあらばこれを「オフライン」に保管するなどして、仮に自分のパソコンがハッキングされたとしても問題ないという環境を作ることは十分に可能なのです。
これは同時に、他人のデータを改ざんないしは盗用することができないということも意味しています。
なぜなら、他人の「鍵」はその人しか持っていないからです。
したがって、ビットコインの管理権がネットワークに参加する個々人にあるという点において、ビットコインのネットワークは非中央集権的であるといえます。
プライバシー性が高い
例えば銀行口座を解説しようとすると、名前や住所、電話番号、職業、年収、本人確認書類などの開示や提出が必要になります。
顧客の身元をしっかりと確認できるように顧客確認プロセス(KYC)を踏まなければならないため、こうした情報がどうしても必要になるのです。
一方、ビットコインで「口座を開設」するためには、コンピュータやスマートフォンに専用のソフトウェアをダウンロードするだけで良いのです。
個人情報を公開することなく、ごく簡単にネットワークに参加することができます。
あなたが公務員であろうがフリーターであろうが関係ありません。
もっといってしまうと、あなたが「人」である必要もありません。
したがって、あなたが例えば自動運転車であっても冷蔵庫であっても、ビットコインのネットワークからすると同じことなのです。
取引を行う上で公開されるのは「ビットコインアドレス」とよばれる情報であり、【1JuqAwhQ6orCcmLTvFmkMAh6bCs4hBUDBY】 などといった文字列によって表示されます。
銀行で言うところの口座番号のようなものですが、銀行の口座番号と異なり、ビットコインアドレスによって個人情報が特定されることはありません(もちろん、ビットコインアドレスと個人情報を同時にインターネット上で公開するなどした場合は別ですが)。
このような意味において、高い匿名性が保たれ、プライバシーが向上することとなります。
透明性が高い
「透明性が高い」というと、プライバシー性の高さに関して紹介した前項と相反しているようにも思えますが、ここにおける「透明性」とはビットコインのシステムに関する透明性であるとお考え下さい。
システムの透明性が高いということはすなわち、システム内で何が行われているのかが明確であるということを意味します。
伝統的な中央集権的なシステムにおいては、システム内の活動に関してオープンにするということにたいしては、ハッキングのリスクが高まるもしくは組織内の不正な活動が明らかになるという観点から、非常に消極的であるという側面があります。
しかしながら、とことん厳重に管理され、閉ざされたようなシステムであっても前述のようにハッキングされる事例はありますし、システムを不透明にしようするからこそ「説明責任」という時間とコストのかかるプロセスを経る必要がでてくるのです。
ビットコインのネットワークは、そのコードが全て公開されており、誰でもこれを確認することができます。
また、コードを変更するためには、ビットコインネットワークに参加している大多数の承認が必要なので、仮に誰かが不正を目論んでコードを改ざんしようとしても、ネットワーク参加者の大多数が悪意を持った人でない限りはコードに影響がないということになります。
一方、仕組みに納得いかないという場合はこれを土台にして自ら新しいコードを書き、ネットワークを新たに形成していくことも可能です。(実際、このような理由からビットコインから派生したビットコインキャッシュという仮想通貨が2017年8月に登場しました)
加えて、ブロックチェーンを用いることで、不正を防止するとともに、ビットコインのネットワーク上における全ての取引履歴を確認することができるようになっています。
この点においても伝統的な金融機関における取引ネットワークに比べると、ビットコインのネットワークにおいてより高い透明性が存在するということがおわかりいただけるかと思います。
以上、仮想通貨としてのビットコインの仕組みに関して、その特徴を簡単に見てきました。
これを見ていただくと、ビットコインが単なる「通貨」という枠組みを超えたビジョンを持つ、ネットワーク「システム」であるということがおわかりいただけると思います。
したがって、ビットコインに対する需要があるとすれば、短期的には冒頭でふれたような投機目的によるものもあるでしょうが、長期的にはビットコインの根本的な仕組みに存在するポテンシャルに価値観を見出した人々によって、需要が牽引されていくこととなるでしょう。
ビットコインとオルトコイン
「仮想通貨界」においては、時価総額 1 位のビットコインを皮切りに次々と新たな仮想通貨が生み出されています。
本章においては現在流通しているビットコインと仮想通貨(オルトコイン)のうち、代表的なものをごく簡単に紹介していきます (時価総額順位に関しては2017年10月20日午後 0 時現在のもの)。
ビットコイン(Bitcoin:通貨単位BTC)(時価総額1位)
2009年に世界で初めて発行された仮想通貨、ビットコイン。
ブロックチェーンやマイニングといった物が確立され、これ以降の全ての仮想通貨(暗号通貨)の基礎になりました。
イーサリアム (Ethereum:通貨単位 ETH)(時価総額2位)
ブロックチェーン上で、スマートコントラクトを用いたアプリケーションを作成できるプラットフォームで、そこで使われるのがイーサ(Ether)と呼ばれる通貨です。
リップル(Ripple:通貨単位 XRP)(時価総額3位)
リップルとは多種の通貨間の取引を迅速に安く、スムーズに行うことを可能にするプラットフォームで、ここで用いられるのがリップル(XRP)という通貨です。
ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash:通貨単位 BCH)(時価総額4位)
ビットコインから分裂することで生まれた通貨です。
ビットコインに比べ1秒間あたりより多くの取引を実現し、さらに迅速かつ安価に取引が行えるようになることが期待されています。
ライトコイン(Litecoin:通貨単位 LTC)(時価総額5位)
オルトコインの中で最も古い通貨の一つ(2011年発表)で、ビットコインより多くの全通貨発行量(4倍)ならびにより迅速な取引スピードを実現するようにプログラムされた通貨です。
以上が、2017年10月20日時点における時価総額2位〜5位までの仮想通貨です。
なお、時価総額に関しては流動的に変化していますので、ご自分で最新情報を入手されることをおすすめします。
次に、日本国内で特に注目を集めている仮想通貨に関して、簡単に紹介します。
ネム(NEM:通貨単位 XEM)(時価総額 7位)
日本発の仮想通貨であり、Zaif を中心とした日本国内取引所におけるサポート体制がしっかりしていることから日本国内で非常に注目されている通貨です。
モナコイン(Monacoin:通貨単位 MONA)(時価総額37位)
日本発(2ちゃんねる発)かつ日本初の仮想通貨であり、SegWitプロセスを世界初に導入した仮想通貨として、国内はもちろんのこと海外でも注目を集めています。
続いて、時価総額ランキングは高くないものの日本の取引所で購入できる仮想通貨をいくつか紹介。
ダッシュコイン (Dash:通貨単位DASH)(時価総額6位)
ダッシュはビットコインと比べると匿名性に優れており、取引スピードも速いため(1秒未満)上昇傾向にあるダッシュコイン。
世界の中では、韓国で飛びぬけて取引されている人気の仮想通貨です。
モネロ(Monero:通貨単位XMR)(時価総額10位)
まだまだ市場規模は小さいですが、JAXXというウォレットのアプリの審査を通過し、App Storeで取り扱いが始まったため注目株に!
韓国市場で取り扱いが始まったことも相まって僅か10日ほどで3倍近くの値上がりになるなど、今後の動向に注目です。
イーサリアムクラシック(Ethereum Classic:通貨単位 ETC)(時価総額12位)
イーサリアムクラシックはハードフォークによって分裂した通貨です。
イーサリアムとほぼ同じ特徴を持っていますが、イーサリアムがハッキング被害に会ったことをきっかけとして分裂したため、セキュリティ面は強化されています。
ジーキャッシュ(Zcash:通貨単位 ZEC)(時価総額16位)
ジーキャッシュも匿名性が高い通貨で、「ゼロ知識証明」を用いることで完全匿名性を実現。
リリース当初から30万円という高値がつき当時のビットコインの価格すら上回りましたが、そこから一気に急落したという珍しい経歴をもつ。
リスク(Lisk:通貨単位LSK)(時価総額17位)
リスクはイーサリアムと同じくスマートコントラクトの仮想通貨ですが、
サイドチェーンを採用することで処理能力を向上させイーサリアムとの差別化を図っています。
オーガー (Augur:通貨単位 Rep)(時価総額28位)
オーガーはビットコインなどの従来の仮想通貨とは特徴が違い、予測市場において活躍するとされる通貨です。
今現在多くの国で予測市場は賭博罪が適応されるため予測市場に参加するには注意が必要ですが、独自の仕様から今後の動向が期待されている仮想通貨の1つです。
オーガーについて詳しくはこちらの記事をごらんください。
⇒仮想通貨「Augur(オーガー)」の予測市場は我々の社会に革命をもたらすのか?
ファクトム(Factom通貨単位:FCT)(時価総額47位)
factomの一番の特徴はビットコインのブロックチェーンを使うことで送金費用を抑えている点。
しかし、まだビットコインのように決済手段として実用化はされていません。
以上の7つ通貨は全てコインチェック取引所で取り扱っています。
「仮想通貨交換業」に登録してある信頼できる取引所
さて、仮想通貨に関する理論であり諸概念を理解することは大切ですが、より大切なのは、これを実際に活用することです。
そしてこれを行う上で、実際に仮想通貨を手に入れ、取引を行ってみるというのは非常に良い手段となります。
「ビットコインは画期的です」という文面を目にするよりも、実際にビットコインを使って取引を行う際の えも言われぬ爽快感を味わうといった、実体験を経ることで一気に仮想通貨に対する理解であり親近感が深まるのです。
さて、仮想通貨の売買を行うにあたっては取引所を利用するのが一番便利です。
そこで、特に日本国内においてユーザー数の多い仮想通貨取引所の中から仮想通貨交換業に登録している安心できる取引所を紹介します。(※2017年10月現在)
これはつまり、以下に述べていない取引所は違法な業者ということになりますので利用しないようにしましょう。
ビットフライヤー(bitFlyer)
日本初のビットコイン取引所であり、日本国内の取引所としては圧倒的な資金力(資本金40億超)を誇ります。
ビットコインやイーサをはじめ、6種類の仮想通貨を取り扱っています。
(2017年10月20日現在)
コインチェック(coincheck)
取扱われる仮想通貨の種類において非常に充実した取引所であり、上述したビットコインキャッシュが加わったことにより、13種もの仮想通貨を取り扱っています。
(2017年10月20日現在)
ザイフ(Zaif)
国内主要取引所において唯一、上述した日本発仮想通貨であるネムとモナコインを両方とも扱っている取引所です。
取引時におけるマイナス手数料も魅力的です。
ビットバンク(bitbank)
ビットバンクはbitbank.tradeとbitbank.ccの2つの取引所があります。
tradeはビットコインのみ、ccはオルトコインも取り扱っています。
tradeは取引手数料がかかりますが、ccは手数料が無料ですし、tradeはアプリがないので、基本的にはccを使うことになります。
GMOコイン
GMOインターネットグループが運営しているGMOコイン。
GMOグループの金融の知識経験を生かしたFX専用アプリ「ビットレ君」を利用できます。
実はGMOコインは取引所ではなく、販売所なのですが便宜上取引所の方に書かせていただきます。
コインネックス(QUOINEX)
コインネックスの一番の特徴はレバレッジが最大25倍で取引ができるということ。
ハイリスクハイリターンを好む人には向いていますが初心者向けの取引所ではありません。
ビットコインボックス(BTCボックス)
ビットコインボックスは、日本で初めて法人取引に対応した仮想通貨取引所です。
その名の示す通りビットコインしか取り扱っておらず、スマホアプリも使いにくいので優先順位は低いです。
ビットポイント(BITPoint)
ビットポイントは上場企業株式会社リミックスポイントが運営するビットコイン取引所です。
FXの人気ツールMT4を使って取引することが可能のためFXをする方なら取っつきやすいでしょう。
取引手数料も無料、セキュリティもしっかりしていますが、現在ビットコイン、イーサリアムしか取り扱っておらず上位の取引所に押され気味。
フィスコ仮想通貨取引所
ビットコインやモナコインに加えて独自のトークンであるFISCOコインも取り扱っています。
スマホアプリがなかったり、取り扱い通貨の数も少なくFISCOコインに魅力を感じなければ優先順位は低いです。
ビットトレード
BitTradeはFXトレードフィナンシャルがグループが運営しているためFX取引利用者でも納得できるTradeViewを利用できます。
ビットコイン以外にもライトコイン、イーサリアムなど扱っておりますが、この2つはビットコインのみでしか購入できず、そもそも手数料が高めのため利用者が少ないので優先順位は低いです。
SBIバーチャル・カレンシーズ
SBIグループの取引所です。
2017年10月現在、まだ口座開設の先行予約段階で今後の動向に注目が集まります。
まとめ
「中央銀行の管轄外にあって、数学的に安全性が保証されたネットワークのもとで、従来の手段よりはるかに迅速かつ安価に、世界中の誰とでも直接取引ができる」という現実の到来を今から10年前に予測できた人がどれだけいたでしょうか。
さらに時を遡ってインターネットができた当時、グーグルやフェイスブックの出現をどれだけの人が想像できたことでしょう。
新たなテクノロジーとは時とともに、誕生当時には想像もつかない形で実用化されていくものです。
一方、新たな技術を真っ先に利用していくのはいわば、社会で積極的に容認されていない分野で活動する人々であり、犯罪者と呼ばれる人たちであるということはあまり知られていないかもしれません。
例えば、インターネットの発達はポルノ業界に対するオンライン上の需要と切り離すことはできません。ここにおいて、より情報量の多い画像であり動画が必要となったために、インターネットのバンドウィズは拡大していきました。
また、ビットコインに関して言えば、違法薬物などを販売していたオンライン上の闇市場「シルクロード」の繁栄(と衰退)はひょっとすると記憶に新しいかもしれません。
しかしながら、こうした事実をもって新たなテクノロジーを封印してしまうのはもったいないというのみならず、社会における潜在的な価値の損失に繋がります。
ですから、自らしっかりと情報を得た上で新たなテクノロジーを賢く使いこなしていく能力が、現在私たちに求められているのです。