Home > 仮想通貨 > 仮想通貨「ICO」と「IPO(新規公開株式)」の違い
finance-fig01

仮想通貨「ICO」と「IPO(新規公開株式)」の違い

 

仮想通貨でよく聞く「ICO」とは、いったいどのような概念なのでしょうか?

 

IPOと同じ資金調達手段ではあるものの、株式と仮想通貨で一体何がどう違うのか、初見ではなかなか判断しづらいものかと思われます。

 

本記事では、「ICO」と「IPO」の違いについて、ICOの概要や共通点、相違点をまとめました。

それを踏まえたうえで、ICOが世界にどういった影響をもたらすのか?その利点と抱えているリスクをお伝えしていきます。

 

 仮想通貨の「ICO」とは?

 

新しい事業を始める際、第三者から資金を募るには、従来の手法ですと「銀行からお金を借りる」「株式を発行する」といった、借入と出資の2つがポピュラーでした。

 

ですが、近年ではその他にも、新たな資金調達手法が注目されています。それがICO(Initial Coin Offering)。

名前の由来は、ご存知のとおり株式を市場に上場し、投資家に購入してもらうIPO(Initial Public Offering=新規株式公開)からきています。

 

ICOは、企業あるいはプロジェクトがトークンを発行し、仮想通貨取引所に上場、暗号通貨の投資家に買ってもらうことで資金調達をする一連の流れのことを指します。

IPOは株式を発行するのに対し、ICOはコインやトークンを発行すると把握すればわかりやすいかと思われます。

 

そのような特徴を持つICOですが、IPOとの共通点や相違点はいったいどのようなものなのでしょうか?

 

ICOとIPOの共通点

 

ICOとIPOの共通点は、以下の通り。

 

・不特定多数の出資者から資金を調達できる

・市場、あるいは取引所に上場することで企業やプロジェクトをPRできる

・企業やプロジェクトをバックアップできる

・より多くの出資者が集まれば、株式やトークンの価値も上がる

 

基本的に、IPOとICOは、不特定多数の出資者(株主)を募るのに適した手法であるといえます。

それでは、続いてICOとIPOの違いについて、掘り下げていきましょう。

 

 ICOとIPOの違い

 

株式やトークンを発行するという点で共通しているIPOとICO、発行する対象物意外にどのような違いがあるのでしょうか?おおむね以下の違いがあります。

 

 トークンやコインの活用幅が広い=投資家以外にも購入してもらえる

 

実のところ、ICOが注目されている最大の理由はここにある、と考えられています。

 

トークンやコインは、投資・優待目的で購入する株式とは異なり、それ自体に貨幣価値や、コントラクト(契約)機能をはじめとするさまざまな用途が与えられています

そのため、単なる投資目的ではなく、将来的な実用性を見込むことができるのです。

 

たとえば、ICOで上場したイーサリアム(ETH)は、「スマートコントラクト」と呼ばれる、通貨のやり取り時に条件として「契約」をデータとして上乗せできる機能を持っています。

これにより、不動産取引や乗用車の購入など、複雑な契約を一括で処理できるという実用性が担保され、一気に価格が高騰しました。

 

このように、ただの貨幣とは異なるさまざまな機能を貨幣にくっつけることで、発行するコイン自体にも価値が持たせられます

そうすることで、投資を目的とした層意外の注目も集め、ICOの主目的である資金調達の幅も飛躍的に拡大させることができるのです。

 

 銀行や株主から直接出資を受けるわけではない

 

実は、ICOは形式としては「クラウドファンディング」に近いものです。

 

独自の通貨を発行・販売し、その通貨に投資してもらう形で資金調達をする、と考えればわかりやすいでしょうか。

つまり、銀行や株主に「創業計画書」を提出するなどといった、出資を受けるものとしての責務を果たす必要性がないのです。

 

これにより、創業にあたっての資金調達というハードルが大幅に下がりました。

 

 ICOに優待制度や議決権はない

 

IPOには、出資者(株主)に対し、優待制度や議決権をもって還元されることはご存知かと思います。

ですが、ICOにそうした優待義務はありません。

 

プロジェクトや企業によっては、トークンの購入者に優待制度に似たものを還元するところもありますが、全企業やプロジェクトがそうであるとは限らない、という点には注意が必要です。

 

上記2点、「トークン・コインと株式の活用幅」「ICOに優待制度・議決権はない」のがICOとIPOの大きな違いです。

それでは、この違いをふまえたICOの利点を解説していきましょう。

 

 上記のまとめ:ICOの利点

 

ここまでICOの特徴や、IPOとの違いを解説してきましたが、上記をまとめることで事業者・出資者双方のメリットが見えてくるかと思います。それぞれチェックしてみましょう。

 

事業者のメリット

 

事業者がICOを行うメリットとして、前述したとおり「幅広い層からの出資が期待できる」という点が挙げられます。発行した仮想通貨は、最低公開価格が定められている株式とは異なり、非常に少額からの購入が可能であるためです。

 

また、その後もさまざまな手続きの必要性がなく、事業者は事業やプロジェクトに専心することができるのも利点です。

 

出資者のメリット

 

一方、出資者は、投資の見返りとして、割安価格でコイン・トークンを入手することができます

さらに、プロジェクトや事業の拡大によって投資した仮想通貨が高騰すれば、大きな利益を得られます。

 

少額購入が可能という点で、株式投資よりもローリスクでの投資が可能となる点も見逃せません。仮想通貨の種類によって、サービス利用や譲渡などの特典もさまざまですので、投資したぶんが比較的回収しやすいのも魅力です。

 

このように、革新性の高い資金調達手段であるICO。ここまでひと通りの特徴をお伝えしましたが、最後に注意しておくべき点についてお話しておきます。

 

ICOを利用した詐欺に注意

 

ICOは、実態としてクラウドファンディングに近いものである、ということについてはお伝えしました。

仮想通貨という急成長を遂げる市場で生まれた、日の浅い手法のため、国際的にルールが未整備という点も否定はできません。

 

株式と違う最大の懸念点は、クラウドファンディングと同じようなものであるために、ICOを利用した詐欺が行えてしまうというものです。

取引のすべてがネットを介し、規制がないために、最初から成功させる気のないプロジェクトを掲げた事業者が、資金調達が終わればさっさと逃げてしまうというリスクがあるのです。

 

実際、クラウドファンディングもICOも、このような手口でのトラブルが多数報告されています

ICO仮想通貨に投資する際は、こうしたリスクを常に考えなくてはなりません。

 

詐欺の見分け方は?

 

こうしたICOを用いた詐欺は、企業の概要やプロジェクトの将来性、本質や主目的など、すべてが合理的で、誠実であるかどうかを判断することである程度回避できます

 

また、ルールが整備されるまで、始まったばかりのプロジェクトには投資しないというのもひとつの手でしょう。

 

まとめ

 

「仮想通貨を発行・販売するクラウドファンディング」であるICO。

投資者・事業者双方が、未来あるプロジェクトを成功させたいという目標を叶えるチャンスを提供する、魅力的な資金調達手法であることは間違いありません。

 

課題はあるものの、こうして新しい選択肢が増えるのは素直に喜ばしいことでもあります。

ICOに投資する際は、そのプロジェクトが重要で将来性があり、それが成される能力があるかどうかを判断しましょう。