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ファクトム(Factom)とは?
ファクトム(Factom)は米国で誕生した電子データの記録・管理システムに大きな強みがある仮想通貨です。
ファクトムのブロックチェーンを利用することによって、銀行・証券・保険などの金融機関や公的機関にある莫大な電子データの記録・管理を巨大なサーバシステムや第三者を介入させることなく、透明性の高い記録管理することが可能になります。
通貨の単位はFCT(Foctoid)となっています。
ファクトム(Factom)の利用システム
ファクトムのブロックチェーンを利用した証明情報記録サービスを利用するときは、FCTを直接使用するのではなく、FCTを「Entry credit」に変更する必要があります。
このシステムには2つのメリットがあります。
1.ハッカーなどによる通貨の盗難を防ぐ
Entry creditはファクトムを利用するためにしか使用できないという制限がありますが、Entry creditは売却不可のためハッカーなどに盗まれるリスクが低くなります。
2.安定したシステム利用料の実現
現在の仮想市場は投機的であり、通貨の乱高下が発生します。
そのためシステム手数料をFCTで設定すると仮想通貨市場の価格変動によって大きく値段が変わってしまうため、ファクトムのシステム手数料も大きく変わってしまう可能性があります。
しかし一度FCTをEntry Creditにした場合、Entry Creditは市場の変化による価格変動が発生しません。
その結果としてファクトムが仮想市場において高騰した場合でも、Entry Creditを保有していた場合はいままでと変わらないシステム手数料となるため、システムの利便性が高くなっています。
米国住宅ローンを変えるファクトムハーモニー・プロジェクト
ファクトムハーモニー・プロジェクトでは米国の約1兆5千億ドル(日本円で約160兆円)による住宅ローン市場を、一つのパッケージ化にしようとプロジェクトです。
現在の住宅ローンには不動産業者や銀行などの金融機関などを介して行われることが多いです。
その結果として契約締結までに多額の中間マージンが発生し、締結後は仲介した各業者に情報が残るため情報漏洩や不正改ざんというリスクが高くなります。
しかしファクトムのブロックチェーンを利用すれば、住宅ローンの記録に関する莫大なコストを削減できるともに個人情報や機密情報などの漏えいも防ぐことができるのです。
投資対象としてのファクトム(Factom)
ファクトムは2017年3月頃までは1FCT=400円前後で推移していた仮想通貨でしたが、2017年4月から値上がりを見せ、6月19日には1FCT=3,939円という最高値を記録しました。
その後は7月15日に1FCT=1,494円という大きな下落後に、9月1日には再び1FCT=3,632円になるなど、乱降下を繰り返したのち現在(2017年11月11日)には1FCT=2,050円となっています。日本国内の取引所ではコインチェックのみで取扱いをしています。
しかしファクトムは投資にはあまり適していないと筆者は考えます。
ファクトムは総発行数が「定められていない」ため、需要の高まりとともにファクトムの発行数が増えてしまえば値上がりはあまり期待できません。
さらにファクトムよりも優れた情報管理・記録システムを実装したブロックチェーンが誕生すれば、ファクトムは競争に負けてしまい、仮想通貨市場で価格が暴落する可能性もありません。
ファクトムにはファクトム・ハーモニーという大きなプロジェクトや大手企業との提携などポジティブな面もあります。
しかし他の仮想通貨も莫大な資金投入がされており、技術が急速に進歩しているため、数年後に確実にファクトムが社会インフラになっているというわけではありません。
ファクトムの値上がりはファクトムハーモニー・プロジェクトにかかっているといっても過言ではありません。
投資に対しては慎重に行いましょう。
総論
ファクトムのブロックチェーンを利用することによって、契約書などの重要な文書の流出や改ざんされることを防ぐとともに、データの保存に今までかかってきた莫大なサーバーコストが削減することができます。
そのため、ファクトムもまたイーサリアムやリップルのように重要な社会インフラの一つとして活躍が期待できる仮想通貨といえるでしょう。
しかしファクトムへの投資に関しては、後続の仮想通貨がファクトムのブロックチェーンを凌駕する可能性もあるため、あくまでも慎重に行いましょう。
ちなみにファクトムは、コインチェックで買えます。