仮想通貨の秘密鍵について

仮想通貨が登場し、2017年に仮想通貨元年と言われるようになってから、一般の人でも「秘密鍵」という言葉を耳にする機会も増えました。
実は秘密鍵だけではなく公開鍵というものがあり、これは仮想通貨だけでなくインターネットにも使われている技術です。

相手にデータを送るとき、外部からは中身を見られないように、鍵をつけることができる技術です。

ビットコインや仮想通貨においてもこの秘密鍵の技術が使われています。この技術によってネット上のみに存在する仮想通貨というものが作られました。

またこの秘密鍵について知っておくことで、自分の仮想通貨がどう守られているのかを知ることができ、仮想通貨をどう守れば良いのかが分かってきます。

公開鍵と秘密鍵とは

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秘密鍵のことを知るためには、公開鍵のことも知ることで秘密鍵の役割もわかります。
またビットコインのセキュリティ面の仕組みにも繋がってきます。

ビットコインの基礎となっている技術はブロックチェーンと公開鍵暗号というものです。
この公開鍵暗号があることで、データの改ざんを防ぐことができます。公開鍵暗号はインターネットのセキュリティにも使われている技術で、ビットコインが登場する以前から存在します。

ビットコインは「公開鍵」と「秘密鍵」の2つの鍵を作成します。
ビットコインは基本的に取引データをネット上で公開しています。誰から誰にいくらのBTCを送ったというデータが誰にでも閲覧できるようになっています。

誰というのは口座となるビットコインアドレスなので個人まではわかりませんが、そのアドレスの履歴も追うことができます。
このように皆で管理。監視することでセキュリティを構築しています。

しかしそれだけではアドレスをどこかの誰かに使用されてしまったり、勝手にビットコインが引き出されてしまう危険もあるので、ビットコインの鍵は2つあります。それが「公開鍵」と「秘密鍵」です。ビットコインアドレスもこの鍵から作成されます。

公開鍵:全員に公開される鍵(振込用の銀行口座のようなもの)
秘密鍵:自分以外知らない鍵(自分しか引き出すことができない口座)

この2つの鍵があることで、アドレスを公開しても、自分が持っているビットコインを勝手に引き出されないように守ることができます。

公開鍵の役割とは

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公開鍵は全世界に公開されている鍵です。

ビットコインを送付する際はこの公開鍵からビットコインアドレスが作成されます。つまり取引する際の専用のアドレスになります。仮想通貨の取引はネット上なので、送信途中で誰かに抜き取られないように「公開鍵」と「電子署名」が必要になります。

ビットコインを受け取る側:データの暗号化に使用する鍵、データを復号化に使用する鍵を用意

公開されるのは「暗号化に使用する鍵」なので「公開鍵」とも言います。
「復号化に使用する鍵」は受け取る本人んだけが知っているので「秘密鍵」と言います。

つまり受け取る側が作成したビットコインアドレス自体が、「公開鍵」ということになります。
(ちなみにアドレスを教える時は、メールなどのやり取りになります。パソコンや端末などのセキュリティ対策は行っておきましょう)

秘密鍵の役割

ビットコインを送る側:受け取る側が作成した公開鍵を使用して、暗号化されたデータを送ります。

取引所の場合は、ビットコインアドレスを貼り付ける欄があるので、メールなどできたビットコインアドレスをコピーして、その欄に貼り付けます。数量を入力し送信ボタンをクリックするだけです。

ビットコインの場合はその情報が公開されています。受け取る側は、送られてきた暗号化データを予め作成しておいた「復号化に使用する鍵」つまり「秘密鍵」でデータを復号してビットコインを受け取ります。

順序でいうと、

秘密鍵が最初に作成され→そこから公開鍵が作成され→ビットコインアドレス

となります。

ここでポイントになるのは、秘密鍵から公開鍵は簡単に作られることです。
なら公開鍵から秘密鍵を計算で求められてしまうのではないかと思うかもしれませんが、事実上不可能とされています。

それは元のデータを読み取ることができない「不可逆性」を持った、いわゆる暗号化の技術が組み合わされてできています。
これがビットコインが通貨として価値を持たせた技術の1つでもあります。

送信者を証明する電子署名

送られてきたデータを復号化してビットコインを受け取るためには「秘密鍵」を使うしかありません。
つまり送り主が作成した公開鍵でデータが送られてきたということは、データを送ってきた相手は「公開鍵」を受け取った本人だということになります。これが「署名」になります。

取引情報は公開されているので、送信者のアドレスもオープンになっています。
しかし先の説明から、送信者のアドレスが分かったところで、受け取り先は秘密鍵がなければビットコインを受け取ることもできません。

しかも作成されるアドレスはその時限りのワンタイムパスワードのようなものなので、何回も使用することはできません。
二重払いや不正操作を防ぐために、それぞれの取引は第三者によって承認作業が行われます。

それがマイニングになります。この時も取引に整合性があるかどうか承認するためにハイレベルの暗号計算がされます。
承認されると取引データは1つのブロックとして、前のとデータブロックに繋げられブロックチェーンに保管されます。

それ以降のデータ改ざんは不可能とされています。このようにビットコインのデータ送信の安全性は保たれています。

秘密鍵は自分で見ることはできない

ここで少し不思議に思うのは、アドレスを作成したり、秘密鍵や署名などは実際に自分たちが行うのかというとそうではありません。
多くの簡易ウォレットや取引所にあるウォレットでも秘密鍵を自分の目で見ることはありません。

ウォレット運営会社や取引所が秘密鍵をセキュリティ管理しています。署名も自動的に行われます。
したがって自分自身がビットコインや仮想通貨を送る場合は、相手のビットコインアドレスさえ分かっていれば送ることができます。

取引所にある秘密鍵は安全か

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取引所から購入した仮想通貨といえ、取引所のウォレットに置いてある以上、完全に自分のものとは言い切れません。秘密鍵も取引所が管理していることになるからです。

例えば、取引所でビットコインを購入し、秘密鍵に関しての情報はもらうことができません。もし取引所がハッキングされ秘密鍵が流出してしまった場合、取引所にある仮想通貨が盗まれてしまう場合もあります。

ネットと離して管理するUSBタイプのウォレットに移して管理するか、スマホアプリにある「breab wallet」でウォレットを作成しそこで保管するという方法があります。

USBタイプのウォレットの詳細↓

ハードウェアウォレット「レジャーナノS」の使い方や注意点

このアプリはインストールして立ち上げると「復元フレーズ」というものが表示されます。この復元フレーズが「秘密鍵を作り出す世界で唯一の文字列」です。スマホが壊れて他のスマホになったとしても、復元フレーズを使えばスマホに元のウォレットと同じものが復元できます。

ビットコインが暗号通貨と言われる理由

日本では仮想通貨と呼ばれていますが、海外では暗号通貨と呼ばれています。その理由は上記でも説明したように、暗号を駆使して作られた技術を活用しているので「暗号通貨」と呼ばれています。

取引に関しても、また取引が正常だと承認するのにも暗号技術が使われています。またその暗号技術によって通貨としての価値を持たせることに成功しました。ビットコインが作られた当初は、通貨として通用するのかどうかという実験から始められました。

その技術が世界中で注目され認められたことで、ここまでビットコインは成長しそこから多くのアルトコインが誕生しました。

改ざん不可能なシステムで作られていますが、自分が保有している暗号通貨自体を守るのは、自分自身になるので取引所で購入した際は、出来るだけUSBタイプのハードウェアウォレットに移すようにしましょう。