仮想通貨のアービトラージとは?またアービトラージを使って稼ぐことはできるのか?

仮想通貨取引所が証券会社の取引所と違うのは、仮想通貨の価格が取引所によって違うということと、取引所間で仮想通貨が送金できることです。

また仮想通貨の送金手数料も取引所によって異なります。

その取引所間で価格が違う仕組みを利用することで、買いと売りの価格差を大きくすることができ、一般的なトレードより効率的に利益を得ることが可能になります。

そんなアービトラージの仕組みとやり方をご紹介します。

取引所の価格差を狙うアービトラージとは

仮想通貨のアービトラージは「裁定取引」と言われています。

仮想通貨の世界で特徴的なのは、同じ仮想通貨をいくつもの取引所から購入でき、取引所間で送金でき、それぞれ取引所ごと価格が異なるということです。

販売所のみの取引所もありますが、海外では仮想通貨取引の基本は現物取引です。

例えば、A取引所で仮想通貨を買い、B取引所に仮想通貨を移動してそこで売ることも可能です。

しかし、送金手数料をかけてまで、B取引所にわざわざ移して売却するのか?疑問に思うかもしれません。

ですがこの方法により、利益を得ることが出来るのが、アービトラージです。

まずは仮想通貨を購入しようとした時、いくつかの取引所の価格を比較し、最も価格が安いA取引所から購入します。

そして売る際、いくつかの取引所の価格を比較するとA取引所よりC取引所が高値をつけているとします。

その場合、C取引所で売った方が、購入時の価格とより大きな差額が出やすくなるという仕組みです。

送金手数料はそこまで高くはないので、高値をつけている取引所に移して売った方が、利益が出ます。

簡単に説明すると、これがアービトラージと言われる裁定取引です。

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アービトラージのメリット

1つの取引所内でのトレードでも利益を上げることはできますが、効率的に利益を出すなら、高値をつけている取引所で売ることが最適です。

またそのシステムを利用する際は、少額では手数料がもったいないので無理のない範囲いで、そこそこ多い資金で行うことで、差額をさらに効率よく稼ぐことができます。

また、取引所の価格を比べるにも、「http://ビットコイン相場.com/index.html」というサイトがあるので、比べることは容易にできます。

仮想通貨は発行限度枚数があるので、価格は需要があればあるほど、高騰していく仕組みです。

国によってもビットコインやアルトコインの価格は違ってきます。

まだ仮想通貨バブルが訪れる前ですが、日本で1BTC=160万円の頃、ジンバブエでは1BTC=260万円の値をつけた時もあります。

現在は、ある程度価格差が揃うようになっていますが、それでも多少の差はあります。

極端にいうと日本の取引所でビットコインを購入し、世界で最も値をつけている取引所に送金して売るだけで、利益が出ることになります。

アービトラージのメリットは、国内の取引所内の価格を比較し、送金した先の取引所で売ることで利益を出すことができるメリットがあります。

また上げ相場下げ相場などの価格変動の影響を受けにくい取引とも言えます。

アービトラージのデメリット

相場の影響は受けにくい取引方法ですが、ノーリスクではありません。

取引所から取引所へ送金するので、送金中の間に価格変動してしまうリスクがあります。

リップルのようにブロック生成が短時間なものならリスクは引くですが、ビットコインのように送金に時間がかかる場合、送金中に価格が上がればいいですが、価格変動が激しいので急落もありえます。

また早く送金するためには、マイナーへの手数料を課金することで時短は可能ですが、手数料はなるべく安い方が利益も多く取れます。

また送金先のミス入力のリスクがあります。
送金先のアドレスを入力する時は、大体がコピペにはなりますが、何かの拍子で一文字消えたなどして誤ったまま送金された場合、二度と仮想通貨は戻ってきません。

ビットコインを使ったアービトラージのやり方

①まずは複数の取引所の口座を開設します。

例を挙げると、マイナス手数料のあるザイフと、初心者でも使いやすいコインチェックとします。

あるいは「http://ビットコイン相場.com/index.html」で確認してから決めるのもいいでしょう。

②ザイフとコインチェックの板情報を見比べて、「いくらでどれくらいの数量が売買できるか」を見ていきます。

下記を見るとどちらが安く買えるのかというと、コインチェック「買 1,852,623円 0.065BTC」でザイフ「買 1,910,000円 0.1718BTC」なのでコインチェックの方が安く購入できます。したがって、コインチェックでビットコインを購入しておきます。

板情報は動きっぱなしなので、見比べるのは大変かもしれませんが、パッと見てどちらが安か高いかだけはしっかり見ておきましょう。

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③どちらの方が高く売れるのかというと、コンチェック「売 1,852,945円 0.2666BTC」でザイフ「売 1,923,000円 0.1376BTC」なのでザイフの方が高く売れています。

コインチェックにあるビットコインをザイフに送金し、反映したのを確認してから、指値で「板情報に出ている最大の買値よりも、少し低い価格し指値売り」にしておくと指値で指定した価格以上に不利なレートで約定することはありません。

ザイフで売りが確約すれば、取引所間の差額で利益が出たことになります。
ローリスクで利益を得ることができます。この方法はアービトラージですが、現実的な利益の出し方とは言えません。

何故ならビットコインの送金時間は最低でも10分はかかります。送金時間は10分とは限りません。その送金時間の間で急落する可能性もあるからです。

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仮想通貨を移動せずに利益を出す方法

そこで取引所間を移動させずに、価格差で利益を出す方法があります。
ザイフとコインチェックの両方の口座にビットコインと現金を入れて起きます。

例えば、ビットコイン0.1BTC、現金20万円を両方の取引上の口座に入れて準備をします。
この時、両方に入れておくので、1箇所の取引所内でトレードするより資金が必要になります。無理のない金額で行いましょう。

ここでは上の板情報に基づいて行なっていきます。ザイフの方が高値をつけているので、「コインチェックで0.1BTC購入し、ザイフで0.1BTC売り」ます。

なお、成行売買ではなく指値で注文することで、期待外れの値段で売れてしまい失敗するリスクを回避します。

先ほども出てきましたが、板情報に出ている「最安値のよりも、少し高い価格で指値買い」、板情報に出ている「最高値よりも、少し低い価格で指値売り」を行うことで板情報が不都合な状態になっても、不利なレートで約定するリスクが減ります。

その結果は下記のようになります。

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保有ビットコインは0.2BTCで変わりません。現金は両口座を合わせると405,705円になります。

取引前の両口座分には40万円、単純にアービトラージ後は5,705円の収益がありました。

口座を増やしてチャンスを増やす

上記の例は2箇所の取引所でしたが、3箇所や4箇所に増やすことで取引のチャンスが増えることになります。

2箇所で行なった取引のように、全ての口座に同じだけBTCと現金を入れて起き、最も安いところで購入し、最も高いところで売ります。

どこの取引所で行うかは手数料などをみて比較しておくのがいいでしょう。下記に各取引所の手数料を比較してみました。

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ビットコインの分裂の際に仮想通貨がもらえる

ビットコインはスケーラビリティ問題などの改善のために、ハードフォーク(分離)を何回か繰り返しています。
ビットキャッシュの際はビットコインを保有している量と、同等の数量をもらうことができました。

ハードフォークする仮想通貨がビットキャッシュの時と同じように受け取れるかどうかの対応は、取引所によって異なります。

海外の取引所「バイナンス」ではハードフォークに積極的に対応しています。ビットコインをその取引所で保有しているだけで新しい仮想通貨が受け取れるのは大きなメリットです。

またハードフォーク前は価格が上がる傾向にあるので、価格の高い取引所で売るチャンスでもあります。

本格的に参入するなら自動売買プログラムもあり

アービトラージで効率よく利益を出そうと考えるなら、人の目では限界があります。

比較する取引所の数が多ければ見る場所も多くなります。見極めと瞬発力が必要になるので、本格的に参入したいならコンピューターに監視させ、注文を出すようにすることです。

アービトラージを専門で行なっているトレーダーはプログラムを作り、価格差を予め設定しておき、目標の価格差が生まれたら注文を取りに行く工程を自動で行えるようにしています。

それでも極論を言うと、日本国内より新興国や海外の取引所の方が高値をつける傾向があるので、海外の取引所にも興味があるなら「cinmarketcap」でも世界中の取引所の価格を見ることができます。

詳細:https://coinmarketcap.com/currencies/bitcoin/#markets

アービトラージを運用する会社がある

自分でプログラムを組むのは大変だと言う場合、アービトラージを専門で行なっている業者もあります。
しかしそれも詐欺サイトが関わっている場合があるので、選ぶのにも要注意です。

「AD2-PRO」という会社です。

https://ad2pro.gogobtc.net

運営会社:株式会社グローバルイノベーション
代表取締役:国松幸雄
所在:北海道札幌中央区南9条西4丁目3−15

とありますが、このサイトの情報を出してきたのは、詐欺HYIPを紹介してきた、GO!GO!ビットコイン(gogobtc.net)、bitSurfer(bitsurfer.jp)なのでこの会社の案件には要注意です。日利1%〜10%と高配当利回りと謳っている時点であやしいと思ってください。

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アービトラージの有料ツール

「COINIGY」という海外の有料サイトです。

有料ですが高機能チャートやアーブマトリックスを提供してくれるサービスになります。
無料を使うより、毎月15ドルの有料なだけありクオリティが高いと評判があります。オフィシャルサイト→https://www.coinigy.com/?r=50b0e9a7

特にArdMatrixなどの他のサイトにはない、COINIGY特有のサービスがあります。

各取引所の「売値」「買値」の差額を自動で調査し、それをマトリックス表示(碁盤の目のよう)にしています。表をみてどこの取引所で買って、どこで売ればいいのか知ることができます。

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現在の取引所の価格差を知る

下の価格表は2018年4月13日のものです。ビットコイン相場というサイトで確認することができます。

公式サイト:http://ビットコイン相場.com/index.html

下の表を見ると、一番安い買値はビットボックスです。逆に一番高い売値はビットバンクです。
ちなみに買値が一番安いのは海外参考のものです。

日本の価格がなぜ高いのかというと、ビットコインを一番保有してるところは日本人だからです。

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下の表を見てもらうと分かるように、ビットコインの取引は日本人投資家が全体の6割を締めるます。

需要が高いところが価格を上げるので、自然に日本の取引所でのビットコイン価格は、海外取引所よりも高くなる傾向があると言えます。

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下の画像は「coinmarketcap.com」のビットコインの価格です。上のタブを「Market」にして表示をしてから「Price」をクリックすると価格が高い取引所順になります。

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アービトラージ取引のポイントは価格差と瞬発力

仮想通貨の世界の特徴を知ることで、1箇所でトレードを繰り返すのではなく、何箇所かの取引所を利用して売買を行うことで効率よく利益を得ることも可能です。

しかしそのためには、取引所間の価格差を比較し、速やかに注文する瞬発力が必要です。
またアービトラージ取引も全くのノーリスクではないことを覚えておきましょう。

仮想通貨は24時間365日価格変動しているので、株のように土日は取引できないことはありません。
サラリーマンでもいつでも売買することはできます。興味があるのでやってみたいという場合いは無理のない範囲で行うようにしましょう。

またビットコインを含めた仮想通貨は需要が高いところでは価格も高騰します。
海外の取引所でも日本より価格が高いところはいくつもあるので、本格的に参入したい人は海外取引所に目を向けてみてもいいでしょう。