政府「プラットフォーマー」議論でフィンテック推進

政府は新たな成長戦略策定に向け、GAFA(ガーファ)などの「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業の規制について、内閣総理大臣の安倍晋三首相を議長として議論を行った。内部組織である構造改革徹底推進会合からのデジタル市場ルールに関する報告をもとに、専門組織設置や法整備の具体的な検討を関係閣僚に指示した。

首相は、巨大IT企業に関し「透明性や公正性確保に向けた法制、ガイドラインの整備を図る必要」性について述べたほか、「スピーディーな対応が可能となるよう縦割り省庁的発想を脱した新しい体制の整備を進めたい」と説明。

デジタル市場の競争状況の評価やルール整備の調査・提言などを行う省庁横断の専門組織の設置が提言されたほか、契約条件の明確化など、巨大IT企業が不当な圧力を行使しないよう、企業の統合や取引の透明性・公正性などを保護するためのガイドラインの整備の必要性が明らかとなった。

同会議では、フィンテックの推進についても議論が交わされた。フィンテックの推進に際しては、特に決済に関して、規制体系を再編成する法案の提出が急がれる。

2017年5月、経済産業省は「個別のビジネス事例や施策対応、内外のルール作りが行われているが、わが国政府としての課題認識や目指すべき姿、政策の基本的方向性、広い視点からの全体像、見取り図を示すことが重要である」として、『Fin Techビジョン(Fin Techの課題と今後の方向性に関する検討会合 報告)』を公表している。大枠の課題と基本的な方向性がまとめられ、わが国へのフィンテック取入れの先駆け的施策が講じられてきた。

現段階ではフィンテック導入が現実に広まりつつある中で、既に生起している種々の課題や今後予測されうる問題を踏まえたより具体的な規制体系や法案が希求されているといえよう。