
2000年代前半より米国金融業界で扱われ始めたフィンテックは、2008年のリーマンショックによる世界的金融危機を契機に本格的に使用される運びとなった。その後現在に至るまでのスマートフォンの急速普及により、特に2015年以降、フィンテックは世界的に注目されるようになった。
我が国においても、各企業のフィンテック導入の勢いは凄まじく、コミュニケーションアプリ「LINE」の決済サービスを担う「LINE Pay株式会社」は各種取り組みを一斉に始動させ「LINE Pay」の浸透を目指している。今年2月中の「LINEギフト」全商品を対象とした半額キャンペーン実施においては、LINEギフト商品を「LINE Pay」で購入する場合に、決済金額1000円を上限にその半額である500円が還元されている。
また2月12日から同月21日までの期間には全国16,700店舗のファミリーマートにおいて、「LINE Pay」のコード決済を行うと利用額の20%を還元するキャンペーンが開催されており、2000円を上限として3月下旬ごろに還元された額が付与される。
さらにLENEは2月12日から同月28日に実施中の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)により「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業(国内消費財サプライチェーン効率化)」の一環として行われている経済産業省主催「次世代店舗実証実験」への参加もしている。
この実験では「LINE」が店舗と生活者をつなぐツールとして採用されるだけでなく「LINE Pay」のキャッシュレス決済が活用されている。
その他、「LINE Pay」決済によりLINEスタンプや絵文字等が実質一円で購入可能となるキャンペーンや、同じく「LINE Pay」決済をLINEゲーム及びオフィシャルショップに導入するなど、一斉に「LINE Pay」の浸透に向けた取り組みが発表されている。LINE Payは「生活のあらゆる場面でLINE Payが使える環境を作る」とし、Web決済、送金やLINE Payカードによるリアル店舗における決済など、コード決済の領域を着実に広げている。
LINE Pay等、新しい決済の在り方は広く認知されるようになったが依然使用方法やシステム理解の不十分さにより、一般に浸透させるには「まず使用してもらうこと」が欠かせない。今後、LINE Payを倣った取り組みが「ペイペイ」等導入他社でも実施されることが予見される。