
2月18日、2018年分の所得税確定申告受付が開始した。
毎年確定申告の会場となる全国の税務署及び臨時会場は混雑し、納税者が手続きのために長蛇の列をなす様子も珍しくない。
そのような中、フィンテック系のスタートアップ企業が手掛ける「申告テック」サービスが登場し始め、個人事業主のみならず、副収入のある会社員が利用するなど、従来の確定申告の手続きが徐々に変化しつつある。
そのサービスの一つとして、スタートアップのfreee(東京、品川)が手がけるクラウド会計ソフトがある。このサービスでは、会計の知識がない人でも容易に会計処理を行うことができる。
クレジットカードや銀行口座、また電子マネーとデータを連携させることで、入金及び出金が管理されるため、領収書の収集や整理の必要がなく、「入力項目がそろっていれば5分で完了する」(freee)という。
帳簿記帳が義務付けられている青色申告でも、日々の取引を入力しているため簡単に作成可能であり、勘定科目も自動的に仕分けられる。手続きの条件もスマホ上の質問に〇や×で回答することで済ませることができ、利用者は知識や手間を必要とされない。
いまや、ネット上で仕事を受発注するクラウドソーシングは企業のものではなく、個人が手軽に行うことができる就労形態として一般化しつつある。
ランサーズ(東京、渋谷)によると、副業やフリーランスで確定申告の必要がある人口は2000万人を超えると推定される。これに、仮想通貨取引の申告やふるさと納税などによる寄付金控除の申請を含めると、さらにその人口は跳ね上がる。
国税庁は数年前からE-tax(イー・タックス)による電子申告を広めるべく呼びかけてきたが、そのシステム自体が誰にでも容易に使いこなせる仕様でなく、特に仮想通貨の売却益の申告に関しては使用のハードルが高いなど、種々の問題を孕み、普及の状況は思わしくない。
フィンテックによる確定申告手続きの圧倒的な簡易化は、世の需要に応えるものとして、今後さらなる普及の拡大が予測される。