高額送金 銀行以外でも可能に 新規制整備へ

フィンテック企業の参入増加により、従来の手数料が高額であった海外への送金取引を安価で行うことが可能となった。

これを受け、企業間の大規模な取引や資産価値を持つ高額商品の購入に際して、同様の送金サービスの拡充が期待されている。

2月19日、麻生太郎金融担当相は銀行以外からの高額送金を可能とする「新たな類型を創設」する方針を明らかにした。閣議後の記者会見においては、100万円を越える資金の移動に特化した新規制の整備を行うことが発表された。

現在の日本において送金取引は銀行とフィンテック事業者等資金移動業者のどちらかによって行われている。

銀行では厳格な規制を敷かれながらも金額の制限なく送金が可能である一方、フィンテック事業者等の資金移動業者では規制が緩やかである代わりに送金額の上限が一度の送金で100万円以内に制限されている。

今後創設される「新たな類型」では、この折衷となる新規制の整備が目指される。

具体的には、フィンテックにより100万円以上の送金を可能とするが、事業者が送金業務を不履行とする状況のリスクを鑑み、利用者の資産を事業者が留めておかないシステム構築が予定されている。

この利用は現行の資金移動より厳格な認可が必要とされ、金融庁の細心な監督の下で行われることとなる。

金融庁は送金指示を伴わない資金の受け入れや顧客資産の必要以上期間の保持、自己資本の規制等についても導入する方向性で検討している。

それら規制は英国において既に同様のシステムの中で導入されており、日本はこれに倣う形となる。英国の事例を参考とし、詳細な取り決めについて吟味されよう。

2020年の通常国会において、決済法及び関連法案の改正が行われる方針である。

事業者による送金サービスでの昨年度取扱額は5年前の5倍以上の1兆円超となっている。
新規制整備により、フィンテックの利用金額が格段に増加することが予測される。