フィンテック企業への投資額アジアで急増 全世界の半分以上を占める

現在フィンテック企業への投資額は全世界で急激な増加を見せているが、地域別に見たところ、この半分がアジア太平洋地域への投資額である。

実数にして298億ドルであるが、これは北米の2倍近くにもなる。

その背景には、アジアにおける金融インフラの未熟さがある。アジアでは、手軽な送金等に需要が集中しており、フィンテックによる新規の送金等のサービスが注目されやすいのだ。

2月26日に開示されたアクセンチュアの報告によると、全世界における18年の投資額553憶ドルのうち、その54%をアジア太平洋地域が占めている。

アジアのフィンテックは世界の最先端を走っているといえよう。

特に中国は140億ドルもの投資がなされており、企業別投資額の上位3位も中国企業が占めている。

アクセンチュアによると、アジア企業への一軒当たり投資額は大きく、スタートアップにとどまらず一定以上の企業規模を誇る企業がさらなる成長を目指し資金調達することが増えているという。

革新的な新サービスを先進国に取り入れる流れができ始めており、そのためアジア企業への投資額が急増したと考えられる。
先進国では既存の金融機関の既得権が大きいため、規制が厳しい。

一方金融インフラが弱い国では規制が緩やかであるため、フィンテックの広がりが著しいのだ。

そういった金融インフラの弱い国から生まれたサービスを先進諸国へ広げる“リバースイノベーション”も始まり、世界的にフィンテックの拡大が勢いを増している。

日本のフィンテック企業への投資額も昨年度で5億ドルに上っている。これは、前年の約5倍である。金融機関におけるフィンテック企業との連携が始められており、規制緩和もすでに進められている。

今後、さらにフィンテックへの投資は加速すると予測される。これに乗じて日本が経済的優位を勝ち取ることが出来るか否かはフィンテックに関与する各企業のみならず連携している政府の出方次第となろう。