PayPay「100億円あげちゃうキャンペーン」でシェア2位へ

近年の金融業界におけるベンチャー企業の参入は活発化し、フィンテックによる新形態のサービスが矢継ぎ早に開始している。

特にQR決済等は日本でも話題となり、メディアに取り上げられることも多くなっている。

今月に発表された「2019年2月 QRコード決済サービスの利用に関する調査」(MMD総研)によると、QR決済シェアは楽天ペイで9.4%、PayPayで8.1%、LINE Payで7.9%であり、ドコモのd払いやAmazon Payがそれに続いている。

2番目のシェアを誇るPayPayは、これらのサービスの中で最も遅い2018年10月に参入である。

同サービスの急激な普及拡大には、「100億円あげちゃうキャンペーン」が大きく影響していると考えられる。

「100億円あげちゃうキャンペーン」とはPayPayが2018年12月に実施し、SNSでの拡散やマスコミの報道により一躍話題となったサービスである。

このキャンペーンは開始からわずか10日間で終了したが、現在は利用条件を変えさらに「第2弾100億円キャンペーン」が開催されている。

ユーザー獲得のための広告として実施されているサービスであるが、その効果は絶大であった。App Annie社の報告によると、第一弾の「100億円あげちゃうキャンペーン」では、期間中のPayPayアプリダウンロード数がおよそ46.85倍に急増。PayPay社の親会社Yahoo Japanはキャンペーン期間を経てPayPayの利用者数が400万ユーザーを達成したことを公表している。

つまり、400万以上のユーザーのうち、390万人ほどをャンペーンで獲得したのだ。

単純計算では1顧客当たり2500円程度でユーザー獲得に成功しており、これだけでも他の金融系アプリよりもコストパフォーマンスよく宣伝できているといえるが、さらにキャンペーン終了後にも波及効果が表れていることを考慮すると、このキャンペーン開催は大成功を収めているといえよう。

今後類似のキャンペーンを試みる他社サービスの展開も予測されるが、いち早くこれに乗り出たPayPayは大きなリードをとっている。