
JAL(日本航空)は2017年~2020年度のグループ中期経営計画における2019年度のローリングプランを策定した。
中期経営計画の最終年度である来年度に向け、長期目標のグランドデザインへ向けた取り組みをより強め、経営計画達成を実現させようとしている。
JALは2018年12月に乗務員の飲酒による事業改善命令を受けている。ローリングプランはこれも踏まえ、安全・安心の再構築により注力して取り組むとともに、信頼回復と企業価値の向上を図ろうとしている。
具体的には、「商品サービスの磨き上げ」や「ネットワークの磨き上げ」、「事業領域の拡充」、「人財×テクノロジー」「SDGs達成に向けたESG経営」の5つのポイントを抑えるべく、各項取り組みが進められている。
特に「商品サービスの磨き上げ」では、カウンター待ち時間を作らない「スマート空港」の実現のための「Fast Travel」や保安体制強化・生産効率の向上に取り組む方針とされている。
また、「ネットワークの磨き上げ」では、2019年度で航空機への成長投資に400億円が積み増されている。世界主要500都市への乗り入れを早期に実現させるべく、提携パートナーの拡充するとともに、フルサービスキャリア事業及び中距離LCC事業における新マーケットの創出、また単距離LCC領域でのパートナー連携の深化を行うことで多様なニーズに対応する旅客事業ポートフォリオの構築が目指される。
そんな中、「事業領域の拡充」や「人材×テクノロジー」において、デジタルマーケティングやドローン輸送等と共にフィンテック導入によるパートナーとの協業促進事業及び新たなサービス・イノベーションの提供を目指す意向についても明らかにしている。
飛行機の利用には予約や発券手続きが必要であり、どれだけその手間や費用を抑えることが可能であるかは顧客が航空会社を選択する上で大きな要素となりうる。海外からの飛行機利用増加が見込まれるオリンピックを控えた今、フィンテック導入はJALの顧客獲得を優位ならしめよう。