
企業向け決済ソフトを運営する「Bill.com」が大手カード会社マスターカードとの提携を発表した。
同社はこの提携で8800万ドルの資金調達を行っている。
Bill.comは決済システムを自動化するソリューションの“Payment Management Platform”を中小企業へ提供しており、年間の決済額は600億ドル以上に上る。
近年フィンテック業界では中小企業向けのソリューションが注目されており、同社も脚光を浴びている。
他者クレジットカード会社Brexも、今年に入って1億2500万ドルを調達し、その際11億ドルの評価額に達した。
Bill.comは企業間の決済を対象としたサービスを前提としている。
この分野では現在まで紙の小切手での取引が80%を超えており主要なツールとされてきた。
一方Bill.comのソリューションでは中小企業らのインボイスや支払いの受け取りを、クラウド上で完結させることができる。
Bill.com創業者でCEOのRené Lacerteは「企業間の決済は変革の時期を迎えようとしている。小切手を過去のものにする仕組みが求められている」と話す。
今回のマスターカードとの提携により、Bill.comは中小企業にヴァーチャルなクレジットカード口座を提供し、入出金を一元的に管理することが可能となる。
紙ベースの小切手はコストがかかりトラッキングが難しいため不正の原因ともなってきた。
クラウド上で完結されることでそういった問題の生じる余地がなくなり、顧客企業の支払いサイクルは合理化され、キャッシュフローが改善される。
金融サービス企業にとって中小企業との取引には一定のリスクもあるが、フィンテックの利用により提供するサービスに新たな利便性を付加する余地のある
同分野は、巨大な成長が見込める時期に入ったといえよう。