
近年、自社アプリへの決済機能組み込みや自社ブランドにおけるVISAのプリペイドカード発行を希望する企業が増えている。
そのような中、スマートフォン決済アプリのキャッシュ(東京 港)は企業への同社決済基盤の提供開始を発表した。
他社サービスとの連携により決済利用の場面を増やすことで成長につなげる考えだ。
キャッシュはこれまで個人向けのサービスを展開しており、ウォレットアプリでクレジットカードや銀行口座の残高チャージで利用者間送金ができるサービスを提供している。
キャッシュのウォレットアプリでの受取金はVISA加盟店で使えるほかジェーシービー(JCB)の非接触決済「クイックペイ」にも対応しており、加盟店からの決済手数料を収益源としている。
同社は2019年夏頃を目途に決済基盤である「キャッシュダイレクト」を他企業へ提供できるよう、外部サービスへデータ提携許可を出す「API」の活用を開始する。
対象はVISA加盟店の国内外5390万店舗である。
導入した企業は銀行預金やサービス売上金・ポイントを決済に使用できるシステムとなり、決済データのリアルタイム管理も可能となる。
通常、自社ブランドでのカード発行には発行ライセンスが必要となり、これを持つ銀行及びカード会社との提携により決済処理のシステムベンダーと契約をする手続きを踏むこととなる。
しかし、キャッシュの決済基盤では同サービスの登録によりカード発行が可能であるため、それら初期費用や手間と時間が抑えられるなど企業は提携のメリットが大きい。
このサービスはフィンテック企業と提携するビザ・ワールドワイド・ジャパン協業プログラムを通じて実現したものであり、これに日本のスタートアップが参加することは初めてのことである。