
6月14日、日本銀行は「第8回フィンテックフォーラム~企業の決済・商流データの活用と未来展望~」を都内で開催した。
同フォーラムでは企業の決済・商流に関するサービスの提供やインフラの整備状況の説明、またその実質的な利用状況や導入メリットがユーザー企業より紹介されたほか、今後の普及活用に向けた課題や将来展望の議論がなされた。
その中で日本銀行理事の池田唯一理事は講演を行い、フィンテックの活用についてその見解を示した。
特に商流や決済データの活用については「大きな潜在力が秘められており、様々な領域で企業活動の発展へとつながっていく可能性がある」と述べ、この度のフォーラムの目的でもあるフィンテックの積極的な導入と普及・また革新について、日銀が積極的に推進していくことを強調している。
フィンテックが財務会計の効率化だけでなく企業経営の高度化にも有用であることなど、具体的な活用方法についても意見がなされた。
企業経営においてはフィンテック活用により既にリスク判定を兼ねた手続きがなされるなど普及が始められているが、これにより高い経営判断の求められる企業あるいは金融機関などにおいて、より機能的できめ細やかな対応が可能になることが期待されている。
また、フィンテックの普及に積極的な一方で、決済や商流データに関しては「個別の取引に関わる重要な情報が含まれている」と発言があった。
「不正対応やシステムの頑健性などの面で、決済の安定性が十分確保される必要がある」として、同時に対応が必要な課題についても取り上げ、慎重に進める必要性も提示された。