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法改正にも威力を発揮!クラウド会計ソフトを中小企業が導入すべきメリットとは

クラウド会計ソフトを導入することで、日常の経理業務を効率化することが可能になります。従来の会計ソフトと比べ、クラウド会計ソフトは多くのメリットがあるからです。今後、税制や行政手続きの電子化が進む中で、電子申告や電子帳簿保存に対応したクラウド会計ソフトの導入が進む可能性もあります。

この記事では、クラウド会計ソフトの導入を検討している人に、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

クラウド会計ソフトの利用状況調査

MM総研は、個人事業主(1万3,172事業者)を対象にWebアンケートを実施し、2019年3月末の会計ソフトの利用状況をまとめました。

調査結果から、会計ソフトを利用している個人事業主の割合は32.5%。会計ソフトを利用していない個人事業主が62.5%もいることになり、多くの人が手書きや表計算ソフトを利用していることがわかりました。

会計ソフトを利用していない理由は、主に次の2つです。

会計ソフトを利用していない理由

⦁ 事業規模が小さいので会計ソフトは必要ない

⦁ 会計ソフトに費用をかけたくない

会計ソフト事業者にとっては、こうした層をいかに開拓していくかが今後の課題となります。

ただ、2018年の税制改正で2020年分(2020年1月~12月)の確定申告から、青色申告特別控除の金額が65万円から55万円に減額されることが決まりました。

青色申告特別控除は法人にはなく、個人事業主の特典です。確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。青色申告は白色申告よりもやや難しい申告方法ですが、「青色申告控除」を利用できるというメリットがあります。

現在の青色申告控除は65万円ですが、これが55万円に減額されることが決定したのです。ただし、確定申告書をe-Tax(ネット申告)で提出するか、電子帳簿保存に対応したソフトを導入すれば65万円の控除となります。

こうした税制改正による影響が広く知られれば、電子申告や電子帳簿保存に対応した会計ソフトの導入が進む可能性があります。会計ソフト事業者にとっては、利用者拡大に向けた大きなチャンスになるのです。

クラウド会計ソフト利用者は18.5%に拡大

個人事業主で会計ソフトを利用している人の割合は32.5%でしたが、そのうちクラウド会計ソフトを利用している人の割合は18.5%でした。

出典:株式会社MM総研

クラウド会計ソフトとは、従来の会計ソフトのようにパソコンにインストールして利用する必要がなく、クラウド上にデータを保存していつでも会計処理ができるシステムのことです。

会計ソフトにおけるクラウド化率は年々上昇傾向にあり、2016年3月の調査開始時の9.2%から今回の18.5%まで約2倍に拡大しました。会計ソフトの機能強化や操作性の拡大、利用者拡大に向けたプロモーション活動などが功を奏した結果となっています。

クラウド会計ソフトの事業者シェア率

クラウド会計ソフトの事業者別シェアは以下の通りです。

出典:株式会社MM総研(上記同様)

「弥生」が57%で半数以上を占めてトップ。次いで「マネーフォワード」が21.5%、「freee」が18.2%となっています。

「弥生」は、2016年3月の調査開始以来、常にトップのシェアを誇り、利用者から高い評価を得ていることがわかります。今回の調査では「弥生」、「マネーフォワード」、「freee」の3社で96.7%を占めており、上位3社による寡占状態となっています。

クラウド会計ソフトのメリット

クラウド会計ソフトと、従来のインストール型会計ソフトの主な違いは以下の通りです。

それでは、クラウド会計ソフトのメリットを確認していきましょう。

利用する端末のOSに左右されない

従来のインストール型会計ソフトは、CDからプログラムをパソコンに入れていましたが、ソフトにより対応OS(Windows・Mac)が異なるので不便でした。しかし、クラウド会計ソフトはパソコンにプログラムをインストールせず、ウェブブラウザ上で利用できます。Windows・MacなどOSに関わらず利用できるのです。

ただし、スマートフォンやタブレット用のクラウド会計ソフトは、ダウンロードする必要があるので注意が必要です。

複数名で会計データを管理・共有できる

クラウド会計ソフトは、会計データをクラウド上に一元管理しているので、複数人でデータを管理・共有できます。経理業務は経理担当者が行っていますが、経理部長や経営者が必要なときにいつでもデータを確認できます。

また税理士とのやりとりも、従来は会計データを保存してメールで送信するという作業が必要でした。しかし、クラウド会計ソフトなら税理士も常に最新の会計情報を確認できるので、経営者とのコミュニケーションがスムーズに行えます。

経理業務の効率化が可能

クラウド会計ソフトを利用すれば、銀行やクレジットカード会社など金融機関の明細を取り込み、自動で仕分けすることができます。多くの企業では、金融機関と預金やカード決済のやり取りが多く、入力に手間がかかっていました。

クラウド会計ソフトを導入すれば、入力の手間が省け、大幅な経理業務の効率化が可能になるのです。

他のシステムの連携が可能

クラウド会計ソフトは、クラウド型のPOSレジや請求書システムなど他のクラウド型サービスとの連携が可能です。POSレジとは、従来のように会計を行うだけのレジでなく、商品が誰にどれだけ売れたのかという販売情報を記録し、集計結果の分析機能を備えたレジのことです。

レジデータや請求書データを売上として計上できるので、計上もれや金額の誤りが発生する恐れがなくなります。

最新バージョンの利用ができる

従来の会計ソフトは、一度インストールしても新しいバージョンがでるたびにソフトを購入してインストールする必要がありました。手間とコストがかかっていたのです。

しかし、クラウド会計ソフトは常に最新のバージョンを利用できます。またクラウド上にデータが保存されているので、会社のパソコンを買い替えても問題なく利用することができます。

バックアップを取得できる

クラウド会計ソフトはインストールする必要がないので、パソコン・スマートフォン・タブレットなどのデバイスからアクセスが可能。会社内だけでなく、自宅や出張先からでも遠隔操作できます。

データはデバイスではなくインターネット上で管理されているため、盗難や紛失の恐れもなく、バックアップを定期的に取る必要もありません。

クラウド会計ソフトのデメリット

ランニングコストが発生する

クラウド会計ソフトの契約は月額・年額制なので、ランニングコストがかかるというデメリットがあります。ランニングコストとは、システム運用のための維持費のことです。

またクラウド会計ソフトでは、複数の法人を持っている場合や、個人事業と法人の両方行っている場合、事業の数だけ追加料金を支払う必要があります。

セキュリティ面に不安がある

クラウド上にデータを保存するため紛失などのリスクはありませんが、サーバーにトラブルが起こったときや、サイバー攻撃などを受けた場合は、情報が外部に流出する可能性があります。

クラウド会計ソフトは、通信をすべて暗号化し、金融機関と同様の厳重なセキュリティシステムを導入していますが、情報漏洩のリスクがゼロではありません。また、IDとパスワードがわかればどのデバイスからでもアクセスできるというのはメリットですが、パスワードを厳重に管理しないとセキュリティ面でのリスクが高まります。

しかし、振込にはワンタイムパスワードが必須となっているネットバンキングがほとんどなので、不正送金被害に発展するリスクは低いと考えられます

またクレジットカード番号も登録しません。クラウド会計ソフトに登録するのは、クレジットカードのWeb明細を見るためのID・パスワードのみだからです。

もちろん、Web明細の情報が流出するのもリスクですが、大きな損失につながるような危険性は少ないといえるでしょう。

オフライン上で使用できない

クラウド会計ソフトはインターネット環境に依存しているので、万が一インターネットに繋げない状況になると、会計データの確認や更新ができなくなってしまいます。また、クラウド会計ソフト事業者のシステムトラブルやサーバーのメンテナンスなどで利用できない場合もあります。

人気クラウド会計ソフトを比較

弥生会計オンライン

個人事業主のクラウド会計ソフト利用率で57.0%(MM総研調べ)を占めるなど、圧倒的シェアを誇るのが弥生会計オンラインです。銀行明細やクレジットカードなどの取引データ、レシートや領収書のスキャンデータを自動で仕分けするので、入力と仕分けの手間が省けます。

弥生会計オンラインは、新規に開業したばかりの個人事業主や小規模法人に最適なクラウド会計ソフトです。取引入力から集計、決算まで必要な会計業務ができるからです。

スタンドアロン製品(パソコン1台および2台で利用)の利用料金は以下の通りです。

⦁ 製品+セルフプラン
26,000円/年
⦁ 製品+ベーシックプラン
30,000円/年

セルフプランと、ベーシックプランのサポートの違いは以下の通りです。

やよいの青色申告オンライン詳しくはこちら

マネーフォワードクラウド

マネーフォワードクラウドは、個人事業主のクラウド会計ソフト利用率21.5%で第2位。ソフトウェアのインストール不要で、インターネットにつながればいつでも利用可能です。マネーフォワードクラウドの特徴は主に次の5つです。

⦁ 様々なサービスとの連携
銀行やクレジットカードなど様々な金融機関のサービスとつながるので、入力や仕分けの手間を省けます。

⦁ クラウドなのでいつでもどこでも使える
クラウドサービスなので、インターネットにつながれば時間も場所も選びません。社内外の連携もスムーズに行なえます。

⦁ 自動アップデート
情報は無料で自動アップデート。税制改正などにも素早く対応します。

⦁ スマホで経費精算できる
外出中の移動時でもスマホで経費の申請や承認が可能。レシートの読み取りもスマホで簡単にできます。

⦁ AI(人工知能)を利用
マネーフォワードクラウドはAIを使ってビッグデータを解析。使うほど賢くなるので、自動入力や自動仕分けがどんどん楽になります。

マネーフォワードクラウドはAIを使ってビッグデータを解析。使うほど賢くなるので、自動入力や自動仕分けがどんどん楽になります。

マネーフォワードクラウド詳しくはこちら

freee

 

freeeも個人事業主や法人に人気があるクラウド会計ソフト。個人事業主のクラウド会計ソフト利用率では18.2%と第3位でした。

freeeでも銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取得して記帳してくれます。あらかじめ設定しておけば、自動で明細を取得し、ルールに従って仕訳記帳が完了。AI(人工知能)を搭載しているので、freeeを使うほど効率化が進みます。

見積書や請求書の作成やダウンロードはもちろん、合算請求や定期請求にも対応。郵送もワンクリックで行えます(一通150円が別途必要)。入金や出金の管理、消込・振込作業も可能。消込とは、売掛金や買掛金など債権・債務勘定の残高を消していく作業のことです。

freee はWindowsだけでなくMacでも使用でき、動作が軽いのが特徴です。

会計ソフトfreee(フリー)詳しくはこちら

まとめ

今回は、クラウド会計ソフトを導入するメリットやデメリットについて解説しました。MM総研の調べでは、個人事業主で会計ソフトを利用している人の割合は2019年3月末時点で32.5%。そのうち、クラウド会計ソフトを利用している人は18.5%でした。

調査開始の2016年からは倍の比率になっていますが、まだまだ普及が進んでいるとはいえません。しかし、2020年分の確定申告から青色申告特別控除が65万円から55万円に減額されます。

その際、確定申告書をインターネットで提出するか、もしくは電子帳簿保存に対応したソフトを導入すれば青色申告特別控除の金額が65万円のままになるので、クラウド会計ソフトの導入が進むことが期待されます。

クラウド会計ソフトは、「弥生会計オンライン」、「マネーフォワードクラウド」、「freee」が3強。いずれもフリープランがあるので、まずは無料で試してみてはいかがでしょうか。