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LINE社が築きあげる新キャッシュレス経済圏LINEPayの仕組みを解説

LINEは、私たちの生活の中で必要不可欠なものとなっています。

そのLINEのアプリでは、送金機能が付いていて、出金もできるため大変便利だと注目を集めているのです。従来は、お金絡みのサービスは金融規制によって、厳しく制限がかけられていましたが、近年になって規制が大幅に緩和されました。

そのため、フィンテック企業が金融サービスを展開することができるようになったのです。ここでは、コミュニケーションツールとして人気を集めているLINE社のLINEPayの仕組みについて詳しく解説します。

LINEPayで行えること

LINEPayは、決済と送金ができるアプリです。「割り勘あるある」や「立て替えあるある」のテレビコマーシャルでも良く知られています。

LINEPayの送金は分かりやすい金融サービスで、いかにもフィンテックらしいサービスと言えます。その舞台裏を除くと、資金決済法をうまくクリアして使いやすい送金システムを作り上げていることが分かるでしょう。その話に進む前に、まずは、LINEPayでできることについて説明します。

現金のチャージ・出金

LINEPayで、クレジットカードや銀行口座を登録しておけば、提携先でネットショッピングができます。LINEPayそのものに銀行口座のような機能が付いており、お金をチャージできるようになっていて便利です。チャージをする場合は、スマホで銀行口座から入金します。ちなみに入金限度額は100万円までです。

LINEPayは、デポットが不要なので無料で始められます。また、貯まっているお金を引き出すことも可能です。

SuicaやPasmoは、プリペイドカードにチャージしたお金は出金できないため、LINEPayはプリペイドカードより銀行口座に近いと言えます。

決済機能

LINEPayは、加盟店の買い物ができるため決済機能があります。近頃は、多くのチェーン店がLINEPayに加盟し始め、電力会社や水道局の公共料金の支払いまで広がりを見せているのです。

出典:【LINE Pay】電気料金もLINE Payで支払い可能になりました!

公共料金を銀行振り込みにするには、最初の手続きが面倒ですが、LINEPayだと送られてきた請求書のバーコードをスマオで読み込めば、支払うことができるため、コンビニに行って支払う必要もなく、1人暮らしの若い人には便利な方法です。

送金

一般的なプリペイドカードと異なり、LINEPayでは、友だちの送金ができます。

普段ネットで銀行振り込みをするときは、銀行のアカウントにログインして、相手の銀行名、支店名や口座番号を入力しなければいけません。もちろん、暗証番号も必要です。しかし、LINEPayでは驚くほど簡単に友だちに送金することができます。

送金できる相手は、友だちなどのプライベート目的が原則で、会社が事業目的で送金する場合は承諾が必要です。

これまで、このような送金サービスは銀行だけに認められていましたが、資金決済法によって銀行以外の会社でも100万円以内の送金が可能になったのです。

【使い方】LINEの送金・決済サービス「LINE Pay」をフル活用。チャージや支払い・割り勘依頼する方法

また、送金の発展形として、自分宛に送金依頼することもできます。その機能を上手く活用している機能が、割り勘機能です。詳しくは上記lineの公式ブログに乗っているので、読んでみて下さい。

補足:LINEPayとの比較

LINEPayとSuica、銀行口座との違いを確認しておきましょう。

LINEPayを利用する際の問題点

LINEPayは便利な金融サービスですが「利用しない」という考えの人もいます。

その理由は、銀行と比較するとLINEは信用が劣るということです。しかし、LINEはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しています。NYSEは、上場の審査が世界で最も厳しいと言われていて、NYSEに上場しているというだけで世界一流の信用力を得ているということになります。

しかし、若い世代の人には、NYSE上場の値打ちがあまり伝わっていないようです。割り勘機能のコマーシャルでも信用力より親しみやすさをアピールしていて、これまでの銀行ユーザーとは違うセグメントをターゲットにしているのかもしれません。

LINEPayのビジネスモデル

LINEPayで友だちに対して送金ができるのは、LINEPay社が資金決済法で定められた資金移動業者に登録しているからです。この法律が、LINEキャッシュとLINEマネーの2つに分かれていることの背景にあります。

LINEキャッシュとLINEマネーを分類する理由

LINEには「LINEキャッシュ」「LINEマネー」の2つのアカウントが存在しますが、なぜ2つのアカウントがあるのでしょうか?ここでは、LINEが2つに分類する理由について解説します。

本人確認の手続きの手間を省く

LINEPayの本人確認は銀行口座で確認する方法になっています。アプリで銀行名や口座番号などの情報を入力すると本人確認が完了します。身分証明書が不要のため簡単です。それでも、本人確認の手続きが面倒に感じる方もいるでしょう。

そのため、まずは口座開設のハードルを下げて、本人確認不要の「LINEキャッシュアカウント」を開いてもらうようにしているのです。

その上で、他人への送金をしたい人は「LINEマネーアカウント」に移行してもらいます。LINEマネーアカウントでは、送金限度額が100万円までということもあり、どの銀行口座の持ち主から、どの銀行の持ち主に送金されたかが分かれば、資金洗浄に使われにくいというメリットもあります。

ユーザー側の使い分け

LINEPay社が、LINEマネーとLINEキャッシュの2つを用意している理由は、ユーザー側の使い分けにも大きく関係しています。たとえば、親が子供にお小遣いを渡すときに、LINEPayを使用すると考えてみましょう。

送金する側の親側は、本人確認をしてLINEマネーアカウントにする必要があります。

その一方で、お小遣いをもらう子供は、親からお小遣いを送金してもらって、買い物に使うだけなので、本人確認は不要です。銀行口座がなくても、LINEPayで、お小遣いを受け取ることができます。

供託金の節約

資金移動業者は送金途中の資金の100%以上の供託金を納めなければいけませんが、プリペイド電子マネーの場合は預かっている残高の50%以上の供託金で済みます。つまり、ユーザーから預かっている財産は、電子マネーの形になっていた方が、供託金を節約することができるのです。

LINEPayにチャージしたお金はすべて送金目的のお金ではありません。加盟店での買い物や支払いのために、チャージしている場合があるからです。そのため、LINE社としては、送金途中のお金とそれ以外のお金をハッキリと区別して、供託金を節約したいのです。

LINEキャッシュアカウントにチャージされているお金は、LINEキャッシュのままです。

これは、送金目的のお金ではなくて、電子マネーです。したがって、LINEキャッシュの残高の半額を供託すれば済みます。その一方で、LINEマネーは、送金できるお金なので、これの残高相当の供託金を納める必要があります。

この解釈は、LINE社の意図とは異なりますが、供託金を節約するビジネスモデルと言えます。

LINEの収益構造

LINE社は韓国企業NAVERの子会社「ハンゲームジャパン」として、2000年に設立され、オンラインゲーム事業を始めました。(下記画像は旧ハンゲームロゴ)

その後の2011年にコミュニケーションアプリのLINEをスタートし、2013年にはLINEに社名を変更しました。

その後、LINEアプリはアジアを中心に、世界230以上の国・地域に広がり、月間アクティブユーザーは2015年に2億人を越えました。このLINEアプリは無料で使用することができますが、LINE社は、どこで稼ごうとしているのでしょうか?ここでは、LINEの収益構造について解説します。

LINE社の事業別の売上推移

LINE社の直近の売上は下記の通りです。

この表を見ると分かりますが、スタンプ売上は横ばいで、広告収入が増えていることが分かります。広告売上は、2018年の第1四半期だけで約250億円を突破しているため、年間ベースの広告収入は1000億円規模になりそうです。LINEの広告は、広告会社並みの存在感があると言えます。

LINE社のIPO

IPOとは、Initial Public Offeringの略で、日本語では新規株式公開といいます。

これは、未上場の会社が株式を公開して、一般の投資家が株式市場で売買できるようにすることをいいます。国内では金融商品取引法によって、IPO時に監査法人による財務諸表の監査が必要です。これによって、上場時の財務内容についての信頼性を確保しています。

LINE社は2016年にニューヨーク証券取引所NYSEと東京証券取引所1部に上場しました。

LINE社の資料によると、IPOの目的は「米国上場で海外の知名度を高めて、調達した資金で利用者の獲得を一気に進める戦略」と記載されています。LINEのIPOは、公開時で時価総額は約7,000億円、上場初値ベースでは時価総額1兆円となります。

今後の展開:LINE社とみずほ銀行が共同で新銀行設立

キャッシュレス化では、LINEと銀行はライバル会社ですが、協力関係も始まっています。

LINE社はみずほ銀行との共同出資で、新銀行を作ることを発表しました。LINEとみずほ銀行の金融ビジネスのノウハウを組み合わせることで、より便利なサービスが始まることになります。しかし、銀行ビジネスは規制が厳しいため、それに対応するための管理コストはIT企業とはレベルが違います。

そのため、この新銀行が設立するかどうかは、まだ確定ではありません。しかし、注目はしておくべきと言えるでしょう。

まとめ

今回は、LINEPayについて解説しました。LINE社は送金機能が付いており便利ですが、更なる進化系とも言える送金依頼機能が付いています。

この機能によって、電子マネーによる割り勘が可能となったのです。また、供託金の節約をするために「LINEマネー」と「LINEキャッシュ」の2つに分類しています。このように、LINE社の仕組みを深堀りすれば参考になることが山ほどあります。ぜひ、今後のLINEPayの動向も確認しておきましょう。