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2019年より保険適用になるモバイルヘルス(mHealth)!医療テック大躍進の年となるか

日本では、一部の企業が開発している状況ですが、米国では先行してモバイルヘルスが普及しています。

その市場規模は2兆7,000億円にもなると言われているのです。日本国内では、まだ、それほど進んでいませんが、少しずつ拡大してきています。実際に治療アプリが誕生し、2019年度中に早くも保険適用のサービスになることが報告されています。

このように医療業界に大革命と言われるモバイルヘルスとは、どのようなサービスのことを言うのでしょうか?ここでは、世界や国内の市場から注目される理由などについて紐解いていきます。

モバイルヘルスとは

ヘルスケアとITを融合させて、モバイル端末を利用して医療を提供するサービスのことをモバイルヘルスと言います。モバイルアプリのITシステムが、患者の生活習慣の見直しの改善に働きかけたり、医療機関の治療や研究などのサポートに活用されるとして医療業界で大きな注目を集めています。

主役級の治療アプリとは

モバイルヘルスの中でも、大注目されているのが「治療アプリ」です。ヘルステックの分野の中でも主役級と言われているのが治療アプリです。

病気の中には、患者自身の行動や考え方、習慣が大きく左右する慢性疾患があります。たとえば、糖尿病は通院しながら、血糖値などを測定して、薬や食生活、運動などを見直し生活を改善すれば、快適に社会生活を送れるようになるのです。

また、動脈硬化や高血圧は、患者自身の生活習慣の見直しで大々的に改善することができます。さらに、患者数が増えている精神疾患のうつ病や依存症も、思考や行動が大きなウエイトを占めているため、こちらを改善すれば回復していくとされているのです。

生活習慣を見直せば、改善できるとは理解していても、生活習慣を変えることは難しいでしょう。しかし、それを治療アプリがフォローしてくれるです。

アイフォンユーザーであれば、標準装備されている「ヘルスケア」アプリは非常に高機能ですが、出来ることに限りがあります。治療アプリは、それが更に進化して、医療機関のデータと繋がり的確なアドバイスをAIが行うといったイメージです。

モバイルヘルスの市場規模

モバイルヘルスが注目を集めていますが、市場規模はどれぐらい成長しているのでしょうか?ここでは、世界市場と日本市場について紐解いていきます。

モバイルヘルスの世界市場

インドのリサーチ会社のMordor Intelligenceが発表した調査報告によると、世界の市場規模は242億1,684万ドル(約2兆7,000億円)ということが明らかになりました。

また2023年には、役4.5倍の1,100億米ドル(約12兆4,000億円)まで拡大すると予測されています。年平均成長率は、28.7%もあり、ヘルスケア分野の中で急成長している市場です。

モバイルヘルスの日本市場

富士経済が調査した結果では、2017年度のモバイルヘルスの市場は2,055億円に到達したことが明らかになりました。2020年には3,083億円にものぼると発表されています。

とくに日本国内では、ストレスチェックの義務化や健康経営の推進などにより各サービス・機器の需要が増加したことの影響を受けて、ヘルステック・健康ソリューション関連の市場が急速に拡大をしているようです。

モバイルヘルスのメリット

注目を集めているモバイルヘルスですが、どのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。

クラウド上で自己管理ができるようになる

従来は、患者に血糖値や食事内容や運動量を記録されて、医療機関に来院してくる際に提示させて、その情報をもとに指導を行うというやり方が一般的でした。

治療アプリでも、記録する媒体が紙ではなくて電子データに代わるだけなのですが、日々の記録がログとして蓄積されていきます。その患者の検査データや来院時の記録、診療支持、投薬情報など、病院側から提供されたデータも蓄積されていくのです。

患者側と医師側の双方から得たデータを基に解析を行い、治療ガイダンスを医師の代理で行うというアプリ

病院に継続して通い生活習慣病を見直すことができる患者はごく僅かとなりますが、このアプリを活用することで、患者側は「自己管理を続けよう」という意欲が維持されるようになるのです。

医師側は詳しい情報で的確な診察ができる

医師にとって、治療アプリは患者の日々の記録や医療ガイダンス情報を共有したりすることができます。

ログとして蓄積されたデータを参考にすることによって、患者に的確な治療や指導ができるようになり、医療の質が上がる効果が見込まれるとされています。

新薬の開発に役立てることができる

新薬の開発に当たっては、開発中の薬の効果や安全性を人体で確認する臨床検査が欠かせません。その一方で、臨床試験に参加する患者の確保およびデータ収集が大きな課題となっています。

たとえば、被験者が臨床試験を実施する医療機関へ2週間へ1回程度通い、生活や健康状態、治療内容について自ら記録した紙ベースで提出し、診察や検査で身体の状態を確認される、という臨床試験があると仮定します。

この場合「実施医療機関が住居から遠い」といった理由で、参加したくてもできない被験者が生じる可能性があります。

そこで注目を集めているのが、スマートデバイスやウェアラブルデバイスなどから健康に関わる情報を直接収集するモバイルヘルスの技術です。ベンダー各社は、被験者のためにオンライン入力や遠隔モニタリングなどのツールを提供しています。

製薬企業はヘルステックを介して収集したデータを自社データベースに追加・統合し、被験者の負担を減らしながら臨床データの質を高める取り組みを進めているのです。

2019年度に保険適用のアプリが誕生

米国を中心に拡大を見せているモバイルヘルスですが、2019年度に国内でも保険適用アプリが誕生すると言われています。どのようなものなのかを確認する前に、既に利用されている国外のアプリについて確認しておきましょう。

世界初の治療アプリ:BlueStar

出典:BlueStar公式サイト

世界初の治療アプリの「BlueStar」は、糖尿病患者の治療を手助けするもので、大手保険会社から保険適用が認められているのです。

このBlueStarは、患者が自宅で血糖値を入力する「記録」という機能にとどまらず、入力情報をもとに、適切なタイミングで疾患指導や生活習慣に関するアドバイスが表示されます。その他、アプリ上で医師に質問することができますし、薬物療法や運動療法といった血糖値をコントロールする方法も学習することができます。

また、医師向けには診断サポートシステムが提供されており、診察前に検討地や服薬、体調に記録、信仰状況のレポートが医療チームに送られてくるため、情報共有がされます。

BlueStarは、大規模な臨床試験において糖尿病新薬などの医薬品と同等以上の効果があったという結果が示され、2010年にはFDA(アメリカ食品医薬品局)からの承認も受けていて、保険適用の対象となりました。

国内でも健康保険の適用の道が開ける

2014年11月、日本では薬事法が改正されて「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」に切り替わった際に、対象の医療機器としてソフトウェアが加えられたのです。

それによって、治療アプリが医師に処方されたり、健康保険が適用される道が開けてきました。

国内初のアプリ:キュア・アップ

出典:CureAPP公式サイト

国内初の治療アプリは、医薬品の旧来の治療方法ではなく、患者の身近あるスマホアプリを病気の治療に取り入れるものです。現状、通院と通院の間に医療機関が患者と接点を持ち、フォローを行うことは難しいです。

キュア・アップではスマホを利用することで、これまで介入の難しかった患者の意識・習慣や、あらゆる場所・時間帯における患者の生活にアプリを通して接点ができ、それぞれの状態に応じた、パーソナライズドされたフォローを行う仕組みを構築してきました。

現在は、医療機関向けのニコチン依存症治療用アプリ「CureApp禁煙」の治験を実施中。同じく医療機関向けの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)治療用アプリ「CureApp脂肪肝」も臨床試験が進行中となっています。

さらに医療機関向け治療アプリ開発で蓄積した知見を基に、法人向けの健康増進プログラム「ascure(アスキュア)禁煙プログラム」の提供も、2017年4月より開始しています。

東証一部企業を中心に、健康経営を意識する企業での導入が進んでいるということです。

まとめ

電子カルテや遠隔医療、手術ロボットなど医療分野でのIT活用は発展してきていますが、スマホのようなモバイル端末を医療行為や医療サポートに利用するモバイルヘルスが普及し始めています。

世界規模で考えると、12兆4億円にもなるというので驚きです。

ヘルスケア分野の中でもトップクラスの急成長と言えるでしょう。実際に日本国内でもモバイルヘルスが登場し、それらは保険適用のサービスになりうるかもしれないという話題も上がっています。

日本国内ではITを活用したさまざまなビジネスが登場しています。今後の医療業界の動きを把握しておくことで、ITの活用方法の見識が広がるかもしれません。ぜひ、今後の動向に注目してみてください。