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楽天ペイのサービスで導入される生体認証決済のメリット・デメリット

キャッシュレスサービスの代表的なサービスである楽天ペイ。スマホだけで買い物ができる便利なサービスです。さらに、楽天は「完全キャッシュレス化」を目指していて、新たな決済手段として顔認証の導入も検討しています。

この記事では、顔認証を始めとする生体認証決済におけるメリット・デメリットについて解説します。

楽天ペイのサービスの基本概要

出典:楽天Pay

楽天ペイは、スマートフォンを使って支払いをするサービス。オンラインサイトだけでなく、全国の様々な店舗で使うことが可能です。

楽天ペイを使うメリットは、以下の3つです。

⦁ 財布を持たないで買い物できる

楽天ペイを使えば、財布を持ち歩く必要がありません。スマートフォンを利用すれば、楽天 ID に登録されているクレジットカード情報で決済できるからです。小銭を探したり受け取ったりする必要がないので、買い物がとてもスムーズにできます。

⦁ 個人情報やクレジットカード情報の入力が不必要

楽天ペイは、楽天IDとパスワードだけで決済できます。クレジット番号や購入者情報なしで決済できるので、安心して楽天ペイを使うことができます。

⦁ 楽天スーパーポイントが貯まる

楽天ペイを使うと、クレジットカードを単体で使うよりもポイントが貯まります。原則、税込金額に対して1%の楽天スーパーポイントが付与されるからです。さらに、ポイントの利用も可能です。

顔認証決済を利用することで素早い決済を展開

楽天ペイは、新たな決済手段として顔認証決済の開発を行っています。

スマートフォンの自撮りで顔を登録し、4桁のPINコードを設定します。レジとなるタブレットの前に立って支払いボタンを押すと、登録した顔とPINコードの認証を行い決済するという仕組みです。

利用者は、支払いの際にスマートフォンを取り出して決済画面を提示する必要がなく、店舗側が用意するタブレットで認証をするだけで決済ができるようになるのです。

楽天社内のカフェでは、すでに顔認証が導入されています。一般向けの具体的な導入は未定ですが、数社と話を進めています。

Rakuten Optimism2019で顔認証決済が一般公開

2019年7月31日から8月3日まで「Rakuten Optimism2019」が開催されました。その中で、楽天ペイのブースも出店され、顔認証決済が一般に公開されました。

顔認証を用いたシステムの開発は、楽天技術研究所が行っています。ブースでは、楽天ペイアプリを利用したモバイルオーダーの体験コーナーも展示されていました。

モバイルオーダーに関する展示を、楽天社外で披露するのは初となりました。

モバイルオーダーとは、アプリ上でメニューを選び、注文と決済ができる機能。テーブルに貼ったQRコードを利用する「テーブルオーダー」や「テイクアウトの事前オーダー」を想定しています。

飲食店でのモバイルオーダーは、決済を終えるとすぐに調理をはじめたり、商品の受け取り時刻を指定したりするサービスを想定しています。

顔認証決済を始めとする生体認証とは

身体的特徴を用いた認証方式

生体認証とは、指紋や静脈・顔といった身体的特徴を使って個人を識別する認証技術。

従来のパスワード認証と比べて、盗まれるリスクが低いのが大きな特徴です。

防犯やセキュリティ対策の他にも、オフィスビルや空港・テーマーパークなど、多くの人が出入りする場所で本人確認を目的として取り入れられています。

ユーザーにとっても、手のひらや指を専用端末にかざすだけで認証を受けられるので、利便性が高いというメリットがあります。

生体認証の種類

それでは、生体認証にどのような種類があり、それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。

指紋認証

指紋認証とは、パスワードの代わりに指紋を利用して本人確認をすることで、指の指紋の模様を利用します。今や多くのスマホが指紋認証を搭載しているので、生体認証といえば、真っ先に指紋認証を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

指紋認証は、利用や開発の歴史が長いので、完成度の高い生体認証です。

読み取り装置には、指を押し付けてスキャンする「エリア式センサー」と、指をスライドさせてスキャンする「スワイプ式」がありますが、現在はスワイプ式が主流になっています。

スワイプ式は認証装置の小型化がしやすく、装置に押し付けた指紋の跡から模様の情報を盗まれることを防ぐ効果もあるからです。

ただし、職業などによって指紋が不鮮明になっていたり、登録した指を怪我したりしている場合は認証できないケースもあるので、通常は2本以上の指の指紋を登録するのが一般的です。

顔認証

顔認証は、人が相手を判別する手段をシステムで実現した生体認証。顔の輪郭や目鼻などの配置を画像認識により抽出し、その特徴によって識別します。

顔認証では、あらかじめサーバーに保存されている個人の顔のデータと、認識中の顔のデジタル画像を照合します。そのため、登録時と異なる表情をした場合や、帽子やメガネなどを着用している場合は、本人と認証されない可能性もあるのです。

ただ、顔認証は他の生体認証と異なり、装置に接触することなく認証できるため、ユーザーの心理的負担は比較的少ないとされています。また、多少離れていても認証ができるという長所もあります。

今後は、顔認証と防犯カメラを組み合わせて、通行人の顔を認識するといった用途拡大も考えられています。

静脈認証

静脈認証とは、指または手のひらの静脈を読み取り、静脈の方向と分岐点を特徴として識別する方法。静脈内を流れる血液中の還元ヘモグロビンに近赤外線をあてて指を撮像し、静脈パターンを抽出します。

静脈は体の内部の情報なので盗まれる心配がなく、外的要因の影響を受けにくいことが特徴で、あらかじめ登録された静脈パターンとマッチングすることで認証を行います。静脈パターンは人によって異なるので、たとえ双子であっても誤認証する心配がありません。

認証精度が高いので、金融機関のATMなどで利用されています。

虹彩認証

虹彩認証とは、人間の虹彩を用いて本人認証を行う方法です。虹彩とは、人間の瞳にある黒目の内側の瞳孔よりも外にあるドーナツ状の部分です。

虹彩模様は、指紋のように人によって異なるので、偽造が困難で認証制度の高い方式。また、指紋と異なり、生後2年目以降は一生変化しないことも大きな特徴です。コンタクトレンズやメガネをしていても認証可能で、一度登録すれば一生利用できるという利便性が高い方式です。

音声認証

音声認証とは、自分の声で生体認証を行う方式。スマホやタブレットなどのマイクで利用できるという導入のしやすさと、言語に依存せずに話者を特定できるというのが特徴です。

生体認証の精度は近年大幅に向上しています。声をビッグデータとして蓄積でき、それを分析するAI(人工知能)が実用化されるようになってきたからです。

ただし、スマホに音声認証が搭載された場合、ロック解除ごとに話しかけないといけないというデメリットがあります。

生体認証決済のメリット

セキュリティ効果を高められる

生体認証は、指紋や顔、静脈など本人の身体的特徴を利用して認証を行うため、パスワード方式のように管理の手間がかからず、不正利用などのリスクが低いのが大きなメリット。生体認証は、他人のふりをする「なりすまし」が困難なため、セキュリティ効果を高められるのです。

ID情報などを携帯する必要がない

生体認証は本人の身体的特徴を利用するので、ID(身分証明)認証を行うためのICカードなど、物理的な ID 情報を携帯する必要がありません。専用の端末で読み取るだけで認証できて認証スピードも速いため、ユーザーにとって利便性が高いのも魅力です。

また、パスワードやICカードは盗難や紛失リスクがありますが、生体認証なら安心です。さらに、本人しか対応できない認証方式なので、セキュリティ向上も期待できます。

ハンズフリーでも認証ができる

ハンズフリーとは、手が自由でふさがっていない状態。たとえば顔認証を行う場合、読み取りのリーダーに触れずにハンズフリーでの認証が可能です。

認証速度が速い

生体認証は、顔や手・指などを専用の端末で読み取るだけで認証できます。そのため、ICカードやテンキーによる認証方式と比べて格段に認証速度が速くなります。

生体認証決済のデメリット

屋外で使用できない

生体認証の中には、以下のように屋外で使用できないものもあります。

静脈認証⇒収納ケースが必要

静脈認証は、人の指や手のひらに赤外線を照射し、一人ひとり異なる静脈のパターンを読み取って個人認証します。しかし、屋外では太陽の赤外線の影響が強いので、利用が困難です。ですから、赤外線の影響を受けないよう、収納ケースが必要です。

顔認証⇒屋外で使用できない場合がある

顔認証も屋外での使用には課題があります。顔認証するためには、顔がしっかり写る必要がありますが、雨が降ったり、夜になって暗くなったりして、環境が常に変化します。そのため、顔認証の精度が悪くなってしまうのです。

認証精度に個人差が生じる

生体認証の認証制度は、個人差が生じることもあります。たとえば、指紋認証の場合、職業や年齢によって指紋が薄くなることがあるので、認証制度が落ちる可能性があるのです。

身体的変化に応じて認証できなくなる

生体認証は、指紋や虹彩のような身体的特徴を対象から切り離せず、変更も不可能です。

ですから、体の変化によって認証できなくなる可能性があります。顔認証であれば、年とともにシワの数が増えたり、ほほの張りがなくなったりなどの変化が生じます。また、指紋認証であれば、指をケガすると読み取りづらくなってしまいます。

開発コストが高い

生体認証は専門技術が用いられているので、導入コストが高くなります。生体認証を採用すると価格が上がり、採算が取れなくなるなどの理由で導入が見送られていることも普及を妨げている原因の一つです。

まとめ

楽天ペイでの顔認証決済は、まだ楽天社内のカフェで導入されている段階で、一般向けの導入は具体的に決まっていません。しかし、生体認証として指紋認証や静脈認証などは、すでにスマホやATMなどで普及しています。

セキュリティ効果が高い、ID情報を携帯する必要がないなどのメリットがあるからです。しかし、認証方法によっては認証制度に個人差が生じたり、身体的な変化に対応できないなどのデメリットがあります。

それらの課題に対応できるようになれば、生体認証が広まり、楽天ペイなどのキャッシュレス化もより一層普及するでしょう。