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業界激震!?ブロックチェーン取引で大きく変わるか不動産業界

フィンテックの中核的な技術として世界で関心が盛り上がるブロックチェーン。

金融業界と共通の課題を抱える不動産業界でも、認証・登記・決済などさまざまな場面での活用が期待されています。日本でも物件情報共有や賃貸管理といった分野で具体的なプロジェクトが複数立ち上がろうとしています。

この記事では、不動産業界に激震を起こすであろうブロックチェーン取引について紐解いていきます。

不動産業ではブロックチェーンを活用する企業が続出

国内初のブロックチェーンを使用した賃貸管理システムの開発に乗り出しているのが積水ハウスIT業務部です。

同社は、2017年4月、仮想通貨交換業者のビットフライヤーと共同で、管理物件の募集・内件・申し込み・契約管理までブロックチェーンで一括管理するプラットフォームの開発を発表しました。

この開発は※「シャーメゾン」ブランドで展開している全国約60万戸の賃貸住宅の管理に活用する狙いですが、将来は他の不動産会社やガス・水道・電気などのインフラ事業者も含めた業界横断的プラットフォームの確立を狙っています。

※シャーメゾンとは積水ハウスが施工する賃貸住宅のブランドのこと

現在は、入居予定者がWEBでの物件検索、内検、契約という場面で数多くの書類に記入する必要がありますが、記入する情報の多くは住所や氏名、口座情報など重複しているのが現在の課題点です。

ユーザーの記入の手間を減らしながら、積水ハウス本体や全国4,000の代理店を含めた、個人情報をブロックチェーン上で安全に共有できる仕組みを目指しています。

現在、1割程度の顧客が不動産会社を訪れる前にWEBの情報だけで入居物件を決めているといい、ITによる重要事項説明の解禁の影響もあり、非多面での契約の頻度は高まっているのです。

同社でも、スマートコントラクトの仕組みを使用して、将来的に店舗に行かなくても、スマートフォンアプリ上で賃貸契約手続きが進むことが想定されています。

実用化に向けた取り組みはさまざま

不動産業界でブロックチェーンの活用を計画しているのは積水ハウスだけではありません。

リスティングサイト最大手のLIFULLは地図情報サービスのゼンリンやNTTデータなど9社で、ブロックチェーンを使用した不動産情報コンソーシアム「ADRE」を立ち上げました。

参照記事:ブロックチェーン活用で、不動産情報共有へ–不動産情報コンソーシアム「ADRE」設立

重複や誤りといった物件情報サイトでの問題の解消に加えて、空室情報をゼンリンの持つテナント情報などと重ね合わせていくことで、エラーの少ない、多彩な情報の蓄積を目指していきます。

将来は、通販の取引記録と空室情報をつきあわせることで、空き家の住所を使用した「なりすまし」などの犯罪香を防止する用途も想定されています。

エスクロー・エージェント・ジャパンは、不動産関連アプリを開発するZWEISPACE JAPANと共同でブロックチェーンを使用した業務システムの開発に着手。

不動産取引の決済に参加する仲介会社、銀行、司法書士などが非対面でも安全に情報を共有できる仕組みを構築して、業務時間や費用を軽減することを目的にしています。

このように不動産業界では、ブロックチェーンの実用化に向けて、さまざまな取り組みがされています。

ブロックチェーン技術の使用用途

一般的には、ビットコインなどの仮想通貨としての用途が知られているブロックチェーン技術ですが、不動産分野においては登記、契約、決済の用途がメインとなります。

ブロックチェーンには、特定の企業や組織に依存しない分散ネットワークであることや、リアルタイム性、P2P通信であるため決済処理機関が不要といった特徴がありますが、

不動産取引において最も重要なのは、その不可逆性と改ざんに対する抵抗力です。

システムを適切に構築すれば、情報の改ざんはほぼ不可能であり、場所や時間の成約を取り払い、賃貸・売買取引を飛躍的に事由にする期待されています。

多数の関係者が介在する取引を、1か所に集まることなく安全に処理をしたり、国境を越えた非対面での取引、クラウドファンディングへの応用が考えられています。

【ブロックチェーンの5つのメリット】

世界初のブロックチェーン登記が成功

売買取引のプラットフォーム構築を目指している米国スタートアップ企業のPROPY(プロッピー)は、2018年8月にバーモント州でオンライン登記の第1号の接続業者として認定されました。

出典:PROPY

同社は、2017年夏に東欧のウクライナ政府とブロックチェーン登記を手掛ける世界初の事業者としてアピールしています。

プロッピーの仕組みは、不動産取引の第三者の立場となって、売り主から売買証書を、買い主から購入代金を預かり、権原の更新と審査を自治体登記所に指示します。

一方、登記所の手続きの間の対抗要件を確保するため、ブロッピーはブロックチェーン上に電子的な譲渡証書を記録。

そして、自治体登記所から審査の完了がブロッピーに通知された段階で、同社はブロックチェーン・ネットワークに譲渡証書の発行を指示。

購入代金を売り主に振り込む一方で、証書を買い主に送付して手続きが完了します。

これらの一連の取引は、すべてオンライン上で行うことが可能です。国境を越えた売買取引プラットフォームの構築を目指して、世界各国での登記所との接続を目指している同社。

自前の物件サイトを持ち、将来的に物件検索から契約・登記までのプロセスを完全にオンライン化することを目指しています。

賃貸借契約はオンライン上で行える時代へ

出典:Rentberru

賃貸借契約分野のブロックチェーンとしては、Google Venturesも投資するRentberruなどがあります。

物件検索・内見予約・賃料交渉・審査・契約締結・賃料支払いを一気通貫に完結できるプラットフォームの開発を目指しているのです。

すでに物件検索のリスティングサイトは稼働しており、米国の9都市、数万件の物件を掲載しています。

まだ、オンラインでは内見予約はできませんが、こちらも将来的には賃貸借契約のすべてがネット上で完結するようになることを目指しています。

独自トークンを発行する不動産会社も登場

ブロックチェーンを活用した不動産取引が徐々に実用化していくなかで、ついに不動産を裏付資産とした金融商品「セキュリティー・トークン」を発行する企業も出現してきました。

一般的に流通しているビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨と異なり、不動産など実世界の価値の裏付けとして利用され、証券のように扱われるトークンをセキュリティ・トークンと呼びます。

いわば、ブロックチェーン版のクラウドファンディングに使用することができます。

不動産分野でセキュリティー・トークンを活用する取り組みで期待されているのが、セキュリティー・トークンを用いた私募REITの組成・運用です。

2017年9月にサンフランシスコで設立したHarborは、証券法、証券取引所法、投資顧問業法などの各種規制に準拠したセキュリティー・トークンの発行を目指しています。

まとめ

不動産業界では、ブロックチェーンを使用した賃貸管理システムの開発が続々と行われています。

現在は、入居予定者がWEBで物件を検索して、内見の依頼をして、物件が気に入れば契約をするという流れになっていますが、これらの流れがオンライン上で解決する時代が到来しようとしているのです。

これらのシステムが構築されたときには、従来の不動産会社は間違いなく破壊されてしまうでしょう。

不動産会社は、テクノロジーで大きく変わる業界と言っても過言ではありません。今後の動向に注目しておきましょう。