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三井不動産など大手不動産会社が投資して発展に貢献する不動産テック

不動産テックにおいて、テック系ベンチャーキャピタルやソフトバンクのようなプレーヤーとして欠かせない役割を果たしているのが、既存の大手不動産会社の投資です。大手不動産会社は、直接投資やファンドを通じた間接投資によって、日米両国でその存在感を高めています。

最近では、彼らを投資家とする不動産テック専門VCも相次いで設立されているのです。ここでは、世界規模のバズワードになりつつある「不動産テック」に対する大手不動産会社の動きについて解説します。

国内の不動産市場について

日本国内の事業所数は、全国のコンビニエンスストアの6倍となる35万拠点に上り、従業員数は売買・賃貸を合わせて約100万人を超えています。

しかし、これらの事業所のうち9割は従業員4人以下の小規模な事業所です。ITの余力のある事業所は限られており、業務の多くが依然として紙と電話、ファックス。良くても、電子メールとエクセルを用いた労働集約型の産業となっています。

これらの業務の効率化に成功すれば、大きな利益が見込めることもあって、国内でも不動産テック投資が流行の兆しを見せているのです。人工知能(AI)やブロックチェーン、IOTなどの技術を活用することによって、国内の不動産市場はさらに活性化されていくと言われています。

国内の不動産市場規模

国内の不動産市場の規模は約40兆円

売上高経常利益率は14.0%と全産業平均の5.4%を大きく上回る水準にあり、その生み出す付加価値は64兆円と国内総生産の12%を占めています。これは、製造業・流通量に次いで第3位であり、不動産業の影響力を良く示す数字となっています。また、利益率においても、不動産業は各産業において一番高い水準を誇ります。

大手企業が先駆ける不動産テックの現状

毎年100社近くの不動産テックが創業している米国と比較すると数は多くないものの、日本でも、いくつかのスタープレーヤーが誕生しています。有望株の一つがスタートアップの軒先やスペースマーケットなどが手掛けるスペースシェアリング。空き店舗や駐車場などのオーナーと借りたい人を結ぶマッチングビジネス。

また、近年、数多く設立されているのが不動産を対象としたクラウドファンディング。

この分野のプレーヤーには、オフィスビル投資と並行してクラウドファンディングを手掛けるロードスターキャピタルなどがあります。このような動きが出ている日本では、大手企業とベンチャー企業が手を組み、新たなサービスを立ち上げる動きがみられているのです。

三井不動産はファンドを立ち上げる

三井不動産は、2018年5月に、ベンチャーキャピタル(VC)のグローバルブレインとともに300億円規模のファンドを立ち上げ、国内外で投資空きを発掘する計画を発表しました。

これは、2016年2月に50億円規模で立ち上げた1号ファンドに続くもの。前回が比較的若いアーリーステージのスタートアップを対象にしていたのに対し、今回はグロースステージと呼ばれる収益モデルの確立したスタートアップを対象にしています。

海外では別途、複数のルートで投資機会を探しており、米国では、500StartupsやDraper Nexus Venture Partnersなどシリコンバレーの有名VCに出資。また、ニューヨークの不動産特化型アクセラレーター、MetaPropNYCにも投資しています。

2018年4月には、経営企画部の下に自社での不動産テック活用を推進するビジネスイノベーション推進グループを設置。ベンチャー投資を通じてスタートアップから取り入れた知見の活用や展開を図る体制を整えた。

三井不動産の主な投資先

その他の投資先として、アクセルスペース(宇宙開発)、アラヤ(AI)、Undo(IT)、おかん(飲食)、Omise Holdings(フィンテック)、コグニティ(言語解析)、Seismic(ロボティクス)、SCADAfence(セキュリティ)、Source Defense(セキュリティ)、ナノエッグ(ヘルスケア)、Popshoot(フィンテック)、Loom Systems(IT)などが挙げられます。

三菱地所はDX推進室を設置

三菱地所は、2018年11月に経営企画部の下にDX推進室と呼ぶ組織を設置し、国内外の不動産テックへの投資や提携に向けて本格的な取り組みを始めました。

オフィス・住宅・商業・物流といった社内の各部門から次世代を担うエース級の人材20人を集め、社内の業務課題を洗い出した上でテックがもたらす可能性を探る本格的な取り組み。

すでに、三菱地所は丸の内の地区を新技術の実験場とするMarunouchi Urban Tech Voyagerと呼ぶ取り組みで、ソフトバンクなどの異業種や大学研究室と組み、自動運転の実証実験などを進めています。

三菱地所のスタートアップ投資も不動産テックに特化したものではありませんが、この分野の投資先としては、同社の新事業創造部を通じてクラウドファンディング事業のクラウドリアリティ、スペースシェアリングサイト運営のスペイシー、バーチャル内覧サービスのナーブなどに投資済み。

今後、DX推進室と歩調を合わせて、自らの事業とのシナジーを探していくと言われています。

三菱地所の主な投資先


その他の投資先として、アストロスケール(宇宙開発)、サマリー(物流)、SEQSENCE(ロボティクス)、スカイファーム(宅食)、羽田市場(食品)、FiNC(ヘルスケア)、リキッド(セキュリティ)などが挙げられます。

両社が出資をしている投資先

デジタルガレージは不動産特化型企業に投資を開始

ベンチャーキャピタルなどの活動が低調な日本において、国内初となる不動産特化型のスタートアップ投資に着手したのは、カカクコムなどを傘下に持つデジタルガレージです。

その名は、Open Network Lab ResiTech、三井不動産、野村不動産、東京建物といったデベロッパーと鉄道会社やゼネコンをパートナーに迎え、住宅・不動産分野での有望起業家の発掘を目指しています。また、国内に限定をせず、海外のスタートアップ企業も対象にしており、日本市場への参入の手助けをしています。

まとめ

日本国内でも不動産テックの導入の動きが進んでいます。大手不動産会社の三井不動産や三菱地所は有力な不動産テック企業に多額の投資を開始しています。住宅・不動産分野での有望起業家の発掘や、海外のスタートアップ企業の日本市場への参入の手助けをしているのです。

今後は国内外のIT企業が不動産業界に参入してくることが考えられます。

このような高度の技術力をもったIT企業が不動産と融合した場合は、もっと不動産業界は便利になり活性化することに間違いありません。次世代サービスが次々と開発されていくことが想定されます。

このように、不動産市場は現時点では想像できないほど発展をしていくものと想定されているため、今後の不動産テックの動きには注目をしておきましょう。フィンテックの開発の参考にもなるはずです。