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中国の最新テック発信地に増殖するスタートアップ「独角獣」とは?

「米国はテクノロジーで中国に後れを取り、もう追いつけないと思っている。だからこそ、米国トランプ大統領は中国の通信機器大手の華為技術をあらゆる手を使って排除しようとしている」とも噂をされています。

このように、激化する米中対立の背景には、勢いを増す中国の技術力への米国側の警戒感があります。実際、中国では半導体やAI(人工知能)などでスタートアップ企業が続々登場しているのです。これらの企業を「独角獣」と呼びます。

独角獣を中心に、スマホ決済などライフスタイルを一変させるイノベーションも出てきました。この記事では、中国の最新テック発信地に増殖するスタートアップ企業の「独角獣」について分かりやすく解説します。

米国が懸念する「中国製造2025」

激化する米中対立の根幹には、2015年に中国が発表した製造強化のロードマップ「中国製造2025」があります。既に製造大国となった中国が技術面でも世界をリードする製造強国になるとの観点から、2025年までの製造強国に仲間入りし、2035年には中位、2049年にはトップクラスになるとの目標を掲げているのです。

中国では「中国製造2025」の目標を実現するために、次世代情報技術やロボット、バイオ医療など10分野の産業を重点的に育成して、米国と並ぶ国際的地位を手に入れると宣言しています。実際に、中国政府は、中国製造2025に基づいて着実に産業振興策を推し進めています。

中国製造2025の基本概要

中国政府が2015年に発表した国内製造強化のための産業政策です。2025年までに製造仲間に仲間入りし、2035年までに製造強化の中位に、中華人民共和国建国100年に当たる2049年には製造強国のトップクラスになることを目指すことが掲げられています。

[中国製造2025の重点10分野]

    1. 次世代情報技術
    2. ハイエンドNC工作機械およびロボット
    3. 航空宇宙関連設備
    4. 海洋プロジェクト用設備およびハイテク船舶
    5. 先進的軌道交通設備
    6. 省エネ・新エネルギー自動車
    7. 電力設備
    8. 新素材
    9. バイオ医療および高性能医療機器
    10. 農業機械設備

中国に増殖する「独角獣」とは?

空前の起業ブームですが玉石混交の中国のスタートアップ。その中から、世界の最先端領域で互角以上に戦う企業が大量に誕生しています。

韓国サムスン電子でもファーウェイでも、米国のアップルでもない「次世代スマートフォン」のトップランナーに躍り出たのは、創業わずか6年の中国のスタートアップ「ロヨル」だったのです。

ロヨルが開発したのは、画面サイズ7.8インチの小型タブレット。両手で両端を推すと画面が曲がり、2つ折り畳むと丁度スマートフォンの大きさになるというタブレットです。

2018年11月に「フレックス・パイ」という名称で発売が開始されました。キーボードをつなげれば、パソコンとしても利用できます。従来の常識では考えられないような機器そのものの変形を可能にしたのです。このような開発をする「独角獣」が増え続けています。

中国の主なユニコーン企業

中国では、ユニコーン企業のことを「独角獣」と呼んでいます。ここでは、企業価値が高く大きな注目を集めている独角獣をご紹介します。

米国のCBインサイツの調査結果によれば、2018年11月末時点の中国の独角獣(スタートアップ)の社数は84で、米国の140に続き2番目に多い結果となっています。

「独角獣」が増殖する中国の魅力

中国では独角獣が増殖していますが、それには他国にはない中国の魅力が大きく関係しています。ここでは、独角獣が増殖する中国の魅力をご紹介します。

世界トップを独走する特許出願数

独角獣は続々と誕生し、評価も高まっています。独角獣は、AI(人工知能)、フィンテック、ブロックチェーン、ロボット、EC(電気自動車)まで幅広いです。中国の技術力を裏付ける指標の1つでもある特許出願数を確認すると、急速に増え続けています。

2010年には日本、2011年には米国を抜き、今や世界トップを独走しているのです。開発力を磨き、独自技術で勝負する企業が増えてきたことが、特許出願数が急伸する理由の1つと言われています。

世界と格差がなくなる製造分野

米国や日本との技術格差が大きいと言われていた製造分野でも、有力な独角獣が登場してきて、世界と格差がなくなりつつあります。中国の各都市で得意分でのイノベーションが競い合われている現状です。

企業に挑戦させる姿勢の中国政府

イノベーションを生み出そうとしのぎを削る中国のスタートアップ「独角獣」。先ほど紹介した企業は、ほんの一部です。広大な中国の各都市ではスタートアップが勃興し、得意分野に磨きをかけています。

開発は結局、いかに積みかねるのかの勝負となります。日本や米国に比較すると、中国政府は、企業にやらせてみようという積極的な姿勢がある点が急成長に大きく関与していることは間違いありません。

まとめ

これまで技術革新で世界をリードしてきたのは間違いなく米国でした。今でもGAFA(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)は、IT技術で圧倒的な競争力を持ち、AI(人工知能)を含むソフトウェア技術でも抜きん出た存在です。

そんな米国の技術覇権が終わりを迎えつつあります。実際、中国では米国の8倍以上のエンジニアが誕生しています。彼らの中には、飛び抜けて優秀な人材もいるのです。中国人エンジニアは、中国国内で働くだけではなく、海外留学して研究を深め、その後に中国に戻るケースも多いです。

中国では、BATH(バイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイ)というIT技術で抜きんでた企業が存在します。BATHの株式時価総額はGAFAに迫る水準に達しています。米国など海外の大学に留学して帰国した優秀な人材も多数抱えて、イノベーションを加速させています。