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米国や日本を追い抜く中国の技術力!チャイノベーション を徹底解説

毎年、中国では米国の8倍以上のエンジニアが生まれています。彼らの中には、飛び抜けて優秀な人物も目立ちます。中国の技術力を象徴するのがBATH(バイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイ)ですが、株式時価総額はGAFAを迫る水準に達します。米国など海外の大学に留学して帰国した優秀な人材を多く抱えて、イノベーションを加速しています。現在では米国や日本を追い越す勢いです。ここでは、それぞれの分野の中国技術を検証していきます。

チャイノベーション 1:半導体

半導体の世界シェア率7割を誇る中国では、さまざまな半導体企業が誕生しています。その企業数は1,000社以上であり、世界で名を誇る企業が登場してもおかしくありません。ここでは、半導体に関する中国の技術力を検証していきましょう。

中国は世界シェア7割を握る

農場や建設現場から、老朽化したインフラの点検まで、あらゆる産業分野で利用が進むドローン(小型無人機)。富士経済の調査では、世界のドローン・無人ヘリの市場規模は、2025年に兆円と2017年比2.4倍に拡大する見通しとなっています。そんな成長市場の世界最大手が中国の大疆創新科技です。2006年に深圳市で創業し、現在は世界シェア7割を握ります。

設計力もトップクラス

中国メーカー製のスマートフォンと同様、日本や米国の部品を寄せ集めただけと考えるのは大誤算です。大疆創新科技のドローンの最新機種を分解してみると、プリント基板上には「大疆創新科技」のロゴが入った半導体が搭載されていることが分かります。
この半導体はドローンのプロペラを動かすモーターを制御するCPU(中央演算処理装置)で、事前にプログラムされた経路を安定的に飛行するための役割を担います。大疆創新科技は公表していないものの、その基盤部分も自社設計しているのです。

1,000社を超える半導体企業

北京兆貿創新化技、联芯科技など、日本では聞きなれない半導体は、すべて中国のメーカーです。多くは工場を持たないファブレス企業だが、その数は1,000を超えて、今ではさまざまな電子機器の中に、中国チップが入っています。
中国の半導体メーカーは、2000年以降に創業した新興企業が多く、玉石混交の状態だが、1,000社超がしのぎを削る中でトップ企業が出てきてもおかしくありません。

米国の有名企業を渡り歩いた経営者が起業

注目を集めるのが中国国有半導体大手、紫光集団傘下の長江ストレージです。中国の半導体受託製造会社の武漢新芯集成電路製造(XMC)を買収して2016年に設立されました。経営トップのサイモン・ヤン氏は、米国のインテルや製造受託大手のグローバルファウンドリーズなどを渡り歩いた人物です。このように米国の有名企業を渡り歩いた経営者が半導体の企業を起ち上げています。

チャイノベーション2:ディスプレー

ディスプレー分野では、サムスンのシェア率には程遠い状態ですが、折り畳み型スマートフォンのフォルダブルなどの新技術が中国から登場しました。サムスンが有機ELを本格的に量産したのは2000年代半ばのため、10年以上遅れて参入してきた中国勢は、サムスンが蓄積した製造ノウハウにどこまで迫れるかが注目されています。ここでは、中国のディスプレーの技術力を検証していきましょう。

新領域の技術が中国から誕生

中国深圳にある有機ELスタートアップ、柔宇科技(ロヨル)が2018年11月に発売した折り畳み型のスマートフォンは、業界では「フォルダブル(折り畳める)」と呼ばれる新領域の技術。有機ELの雄である韓国サムスンディスプレーが供給する「ギャラクシー」などの高級スマートフォンでは、ディスプレーの側面を曲げたまま固定する「フレキシブル」にとどまっていました。そのため、折り畳めるフォルダブルは大きな注目を集めたのです。

中国は有機EL分野に莫大な投資

世界初の称号にこだわるのは、ロヨルだけではありません。中国ディスプレー各社は、有機ELで世界初、中国初を目指した開発競争に躍起です。実際に有機ELへの傾倒は、中国各社の投資計画に表れています。一つの工場当たりの投資額は、3,000億円~5,000億円規模。投資バブルの懸念も強まっています。

チャイノベーション3:車載電池

中国政府がエコカー補助金を導入した影響を受けている車載電池の企業は、米国や日本の自動車メーカーも顧客にするまでに成長しています。ここでは、車載電池の中国の技術力を検証していきましょう。

中国政府が導入したエコカー補助金

EV(電気自動車)など電動車の駆動源となる車載電池。2017年、蓄電容量で世界トップの座をパナソニックから奪った中国企業が存在します。寧徳時代新能源科技という新興メーカーです。寧徳時代新能源科技が躍進したきっかけは、中国政府が導入した補助金です。電池メーカーもその恩恵を受けて、寧徳時代新能源科技は生産能力を急ピッチで増強してきました。

技術力も世界トップクラス

寧徳時代新能源科技は、2017年末時点で、研究開発部門の従業員は全体の23.3%を占める3425名。その多くが研究者で、119人が博士号、850人が修士号を持つといいます。上場して調達した資金を活用して、2019年には、従業員数をさらに増やそうとしている見立てもあります。
車載電池専業の寧徳時代新能源科技は、投資や人的リソースを車載電池に集中できる利点があります。EVの航続距離に直結する車載電池のエネルギー密度の向上が業界の喫緊の課題になる中、こうした技術でライバルに差を付けつつ、コスト競争力も磨けば、今後も世界トップの座を維持することは難しくないはずです。

米国や日本の自動車メーカーも取引先となる

寧徳時代新能源科技は、BMWと共同投資で、ドイツにEV向けリチウムイオン電池の製造工場の建設を始めています。寧徳時代新能源科技の顧客は、今はBMWをはじめ、独ダイムラーや独フォルクスワーゲン、英ランドローバーなど欧州の自動車メーカーが中心となりますが、今後、新たな取引先として日本の自動車メーカーも挙げられています。

チャイノベーション 4:自動運転

中国の自動運転の技術力は、日本と同程度と称されていますが、2017年にアポロ計画を実施し、他社とソースコードなど各種ツールを公開し開発スピードを上げる狙いです。ここでは、自動運転の中国の技術力を検証していきましょう。

自動運転の実験場が提供されている

北京から100㎞離れた農村部のど真ん中に突如、色鮮やかな住居や広大な市政府の施設が立ち並ぶ真新しい都市が現れました。荷台に人を乗せた三輪車が移動する傍らで、無人の自動運転車が稼働しているのです。河北省の「雄安新区」は千年の大計として、2017年に立ち上げた経済特区ですが、その様子は自動運転の実験場となっています。

アポロ計画が実施されている

中国ネット通信大手企業の百度(バイドゥ)は、2017年7月に、この雄安新区で「アポロ計画」と名付けたプロジェクトを立ち上げました。自動運転技術の開発に必要なデータやソフトウェアのソースコードといった各種ツールを公開し、他社と共有しながら開発スピードを上げる狙いです。
巨大な中国市場での商機を睨み、独ダイムラー、米フォード・モーター、米インテル、米エヌビディア、ホンダなど欧米日企業も、このアポロ計画に参画しています。パートナー企業は130社を超えています。

中国の自動運転技術は日本と同程度

中国の自動運転技術の実力はいかほどなのか。米ナビガント・コンサルティングが2018年に調査したランキングによると、中国企業ではバイドゥが14位に入りました。日本のトヨタ自動車が12位、ホンダが16位に君臨しているため、中国の自動運転技術は、日本と同程度と捉えられています。

[自動運転技術開発ランキング] 米:ゼネラルモーターズ
米:ウェイモ
独:ダイムラー
米:フォードモーダー
独:フォルクスワーゲングループ
米:BMW
米:アプティブ
仏:ルノー
スウェーデン:ボルボ
仏:PSA
英:ジャガー
日:トヨタ自動車
仏:ナビア
中:百度
韓:現代自動車

まとめ

BATHはGAFAの株式時価総額を迫る水準に達します。注目すべき中国はBATHだけではなく、次の技術革新の担い手となる中国初の多数の新興企業も猛烈な勢いで成長しています。日本国内でも配車アプリの提供を開始した配車サービス大手の滴滴出行(ディディ)、動画投稿アプリTikTokを手掛けるバイトダンス、スマホ向けの人気ゲーム「荒野行動」を開発した網易。いつの間にか日本でもサービスを開始し、浸透し始めているのです。

また、恐ろしいのはインターネットやソフトウェアといったIT分野に限らず、日本が得意としてきたモノづくり=製造業でも強烈な存在感を持つようになってきています。半導体、ディスプレー、通信機器、車載電池など、多様な分野で中国企業が高い競争力を持つ時代が到来しています。今後、米国が懸念するほど中国の技術は急速に進化するとも言われているため、今後の中国のイノベーションには目を離さずに注目していきましょう。